未来の王室
国子が今より若かった頃ある訃報を聞いた。
「私の母が亡くなりました。」
声の主の母の名は美子。国子の従妹である。そして美子の現在の姓は神武。美子は王室に嫁いだのだった・・・はずなのだが王統は遥か昔に夕夏に乗っ取られ本来は美子の夫晄尊が帝で美子は中宮なのに夕夏のせいで悲惨な目にあったあげく晄尊は代々の本来の帝同様夕夏に殺されたのだった。
そして美子もまた夕夏に殺されたのだ。
もはや誰も知らない平和な王宮。国子が先祖の西松国子について調べるとおとぎ話のような世界が繰り広げられている。そのような世界を知らない国子は改めて今の世の中に絶望するのだった。
それから年月が経過して国子の長女理恵子が結婚することになった。相手は晄尊と美子の長男の神武映尊だった。これに国子は戸惑った。なぜなら美子の苦労、そして死を長年見てきたからだった。しかしさすがに結婚に反対することは出来ず理恵子はそのまま結婚した。
やがて理恵子は長男宜尊を産む。ところがある日、娘の祐加子が失踪する。国子と基家は必死に探したが見つからない。
半年ほど経過したある日、鹿島家に一枚のDVDが届く。
何と未来は悲惨な・・・