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未来からきた者たち

壮年女性の名は鹿島国子。鹿島公爵夫人で西松侯爵家出身である。

少年の名は神武宜尊。国子の長女理恵子と神武映尊の長男である。

少女の名は聖徳直子。聖徳公爵家出身で宜尊の婚約者である。

三人はいずれもある人物を追って未来からやってきた。

その人物は菊池夕夏(またの名を三枝有花)といい数世紀に渡って世界中を破壊し世界人口はこの時代に比べ十万分の一近くに減ったのだ。

当然国子たちは生まれた時から死と隣り合わせの生活を強いられてきたのだった。

そんな中国子は何とか夕夏の弱点を探ろうとタイムマシンを完成させた。そんな中理恵子は国子特製のバズーカで自分の命と引き換えに夕夏を倒す。しかし夕夏は何とかではあるが生きていた。そして国子のタイムマシンを奪いこの時代に渡ったのだ。

国子は身内の死に慣れているとはいえ大変ショックを受けた。そしてタイムマシンを再び作る。

皮肉なことであるが夕夏がいなくなったことによりエネルギー状況が良くなり最初のタイムマシンを作るのに20年近く、チャージに5年がかかっていたが次のタイムマシンは作成に26日、チャージに4日しかかからなかった。

そして宜尊と直子を連れてタイムマシンに乗り夕夏が着いた時代に旅立ったのだ。

写真でしか見たことのない平和な時代。廃墟で暮らしていた三人にとってまさに幸せの象徴だった。

「ここは王宮?」

実は王宮に隣接する都庁と市役所は夕夏により王宮に改造させられていて王宮だけはかなり古いものも立派な建物が残っていた。

夕夏が宜尊の先祖から王統を奪って以来夕夏の子孫が帝だったが誰も夕夏の子孫を帝と認めず映尊を帝扱いしていた。

しかし映尊もやはり先月夕夏によって殺されたのだった。

何百年も文明の発展が停止していたため夕夏独裁政治となっている以外はこの60年後以降から何も変わっておらずさらにいえばこの世紀自体進歩が殆どないので(それも夕夏のせい)違和感を持たれることは殆ど無かった。

しかしただひとつ違うことがあった。

「ひ、150円!?」

直子が自販機のコーラの値段を見て驚く。実は未来は夕夏のせいでインフラが酷く同等品で15万円の値段がしたのだった。が、直子は困った。

「私、一万円札しか持っていない・・・」

自販機は小銭と千円札しか使用できず一万円札しか持っていない直子は困惑した。が、それ以前の問題があった。

「直子、この時代の札と俺たちの時代の札の番号が同じだったらどうする」

そういうと宜尊は貯金箱を取り出す。

「この貯金箱には430年以前の小銭が入っているぞ。まあ430年のやつは使えないけどな」

「私が長年集めた古小銭を自分の手柄にしないで」

国子はタイムマシンを作るのと並行して過去に行く時のために昔の小銭(主に500円玉)をかき集めていた。

そして年代ごとに集めて今回は430年以前の小銭を持参したのだった。

総額は500万円程度で現代なら結構な金額だが未来だと一概に言えないが5000円程度の価値であった。

ちなみに430年以降のものも含めてかかったお金は数億円である。

まあタイムマシンの一機百億円に比べるとたいしたことはないが。

「でもちゃんと使えるのだろうか・・・」

直子は取り合えず自販機でコーラを購入した。ちゃんと500円が入り350円のおつりがきた。

「150円だけど普通のやつよりおいしい!」

あらゆる食物は夕夏のためにまずくなりまともなものは全て夕夏が搾取していた。コーラの高級品などあまり聞いたことがないがとにかく未来のコーラは現代よりまずかったのである。

そして3人は吉○家に入った。未来の時代にも吉○家はあったがやはり現代より高くまずくなっていた(それでも安くそれなりの味だったが)。

3人は牛丼に満足して吉○家をあとにした。

そして地下鉄に乗り込むが全部自動改札なので驚く。

実は未来はエネルギー不足で自動改札は電子マネー用に1つあるだけであとは全部駅員改札だった。

また人口の減少のため皮肉にも通勤地獄は解消されていたのだった。

さらにいうと夕夏により学校制度が崩壊してサラリーマンクラスの人間は少なくなっていき、それにより秩序が乱れ後述の理由もありかなりの人間が風俗業に従事していた。

夜が近づくにつれて3人は困った。それは現代があまりにも都会過ぎて寝るためのタイムマシンの置場所が見つからないのである。

未来だったら適当なクレーターや廃墟に置けばいいのだが現代はそういう場所が見つからない。

また3人は現代ならいない存在になっているのでちゃんとしたホテルに泊まるわけにもいかず健康ランドに泊まることにした。

これに難色を示したのが宜尊である。実は未来の健康ランドは男性にとってはある意味無法地帯で強姦される可能性が高かったのだ。

特に宜尊のような少年など格好の餌食だった。

なぜそのような状態になったかというと夕夏は自分の子孫繁栄のため女性を誘拐して自分の子孫を産ませていたのだった。

なので女性が一人で夜道を歩くのは非常に危険だったが逆に繁華街は安全というねじれ現象が生じたほどである。

また女性の減少に伴い独身男性が大量発生して、同性すら性欲の対象になり特に若い少年は餌食になるのである。

それに伴い男女とも風俗で働く者が大量発生して、独身男性が益々増加するという悪循環が続くのである。

現代では大半の華族が嫁(あるいは婿)のほうが格上の家柄だった未来では格下の嫁(あるいは婿)のほうが増えてきているのである。

また男性は途中で伴侶を失っても再婚は絶望的だが女性は生理がある限り無理矢理でも再婚させられる状態である。

ちなみに直子の母は三回結婚していて直子の父は二度目の夫である。いずれも夕夏によって死別させられている。

さらに人口減少と独身男性の増加は華族も例外でなくある人物が複数の家の当主になっていることもあり例をあげると直子の兄は直子の母の実家の跡も複数継ぎ直子の他の兄弟妹たちは直子の父が受け継いだ別の家の跡をそれぞれ継いでいるのである。

しかし妹たちや既に結婚した長男兄はともかく次男以下の兄弟は直子の母の男兄弟のように一生独身(といっても全員若くして夕夏に殺害されたからだ)の可能性が否定できず直子が複数の男子を出産した暁にはその男子が跡継ぎになる。

そして嫁として引く手あまた直子の妹たちも夕夏に誘拐される可能性もあり実際国子の娘で理恵子の妹も誘拐されている。

国子や直子はゲームで遊んだりマッサージを受けたり沢山美味しいものを食べたり楽しんでいたが宜尊はいつ犯されやしないか非常にヒヤヒヤしていて仮眠室で一睡も出来なかった。

鹿島国子(40〜50代?)・・・故鹿島公爵夫人で西松侯爵令嬢。名前の由来は先祖である国子から。幼い頃から命の危険にさらされて殆どの家族を失う。開発研究所の所長であり夕夏を倒すためにタイムマシンなどを開発してきた。しかしタイムマシンを奪われて再度作り直して現代にやってきた。

神武宜尊(10代)・・・国子の孫で本来の帝。国子に連れられて現代にやってきた。

聖徳直子(10代)・・・聖徳公爵家(宗家)令嬢で宜尊の婚約者。やはり国子に連れられて現代にやってきた。

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