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exseed  作者: 湯員
6/8

右手の嵐
























所変わってある路地裏。





「…何これ。」



その太陽と同じ学生服を来た少年は、自分の右手から発生した竜巻…と呼ぶには些か小さすぎる「風の固まり」を見ながらそう言った。



足元には、傷だらけの数人の不良。



それが先日太陽に殴られた不良の集団であることは、少年は知る筈も無い。



「グッ…一体てめぇは…」



「…」



唯一まだ喋れる不良に気付き、少年、風見颯(かざみ はやて)は右手を近付けた。



「な…何だそれは?」



「…」



「……待て

謝る!因縁つけて喧嘩を売ったことは謝る!だから「ソレ」を近付けるな!」



接近してくる風の固まりに直感的に危険を感じ取ったのか、不良は恐れるような顔で頼んだ。



しかし…



「…」



颯の手は一向に止まる気配を見せず、その瞳は感情が無いかのように無機質に不良の目を見据えていた。



「痛ッ!!」



そしてその右手の風が自分の後数cmまで近付いた瞬間、不良の顔に深い切り傷ができた。



「…やめろ…やめてくれ!許してくれ!もうしない!頼む!許してくれ!!」


自分にできた傷によりその風が完全に害のある物と解った不良は、声を震わせながら、恐怖で顔を歪めながら颯に懇願した。



だが



「…」



颯は開いた右手を、不良の顔に押し付けた。



その瞬間、不良の叫び声が路地裏に響き渡った。



ガリガリガリと、右手から伝わる振動。



風が不良の顔面をえぐってるのだと理解するのは、難しくなかった。



しかしどれほど叫ぼうとも、颯はその手を退けようとしなかった。



そしてもう声と呼べるものではない声が段々小さくなっていく中、颯は言った。



「成る程…こうなるんだ…。」



風見 颯が能力者になって初めてした行為。



それは、殺人だった。




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