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女の子の涙は、ある時はとても悲しみを誘い、ある時はとても心が綺麗になる。


みなさんっ!!!

あけましておめでとうございますっ!!!


と、いうことでっ。


いやぁ~。

2011年ですっ!!!

なんだかんだで2010年終わってしまいました。

早かったもんですよ。


みなさん、大晦日はどうお過ごしでしたでしょうか?


ちなみに私は友達数名とガキ使見ながら、新年を迎えました。


おもしろかったですね~っ。



カンチョクト



ぷっ


少し思い出しただけで笑ってしまいますよ。


てなわけで、


今年もよろしくお願いいします。


では、第十一話です。



どぞー




第十一話




「私に用事って何ですか?」



6時間目も終わり、部活の人は「今日も頑張ろうっ」と気合いを入れ各自の部室へ向かい、帰宅部は「今日もゲーセン寄ってく?」などといつもと変わりのない放課後を過ごす中、オレ達4人は会長から貰った水泳部員の紙を頼りに早速水島友美という女の子に覗きの話を聞こうとオレ達の隣のクラス‐二年C組に来ていた。


「ちょっと聞きたいことがあってね」


水島友美という女の子はパッと見た感じ、とても大人しそうでなんていうか………ナ、ナイスボディをしている。ホントに覗きがいるのだとしたらなかなか見る目があるヤツだ。


「ここじゃ……聞きづらいことだから場所かえてもいいかな?」


テルが周りを窺いながら場所移動を提案。

確かにちょっとここじゃ聞きづらいな。まだ6時間目終わったところだから生徒が教室にも廊下にも結構残っている。


それに……テルの言葉に微かにビクッと震えた友美ちゃんを見たら尚更だ。


「は、はぃ………ゎかりました」


彼女から返ってきた言葉は、さっきとは違いどこか怯えたようなとても小さな声だった。


どうやらオレ達が何故友美ちゃんを呼びだしたのか、察したみたいだ。


彼女から出てくる暗い空気がオレ達の周りの空気を侵食していく。



「うゎあっはっはっはっー、友美ちゃんはこの高城数哉が守って進ぜよぉー」


なんかうるさいのが後ろから出てきよった。


さらに、


「大丈夫だよぉートモちゃん、ボクも守ってあげるからねぇー」


うるさいのと一緒にマコも登場。


まぁでも、この2人はなんだかんだでいいやつだ。

今だって、友美ちゃんが怯えているのを見て、空気を変えようと出てきたんだろ。


だって実際、空気が明らかに変わった。それは、友美ちゃんのどこか安心したような顔を見れば一目瞭然だ。



「じゃあ行こうか」


テルを先頭にオレ達は歩き始めた。




  *




オレ達の学校の食堂は、6時間目の終わった放課後でも開放してあり、お茶や水が無料で飲めるなどなかなか聞き込みするには良い環境だったりする。


さらにもう放課後なため、昼の昼飯タイムとはうって変わって席はガラガラである。まぁ家に帰ってもやることがない帰宅部の暇人どもが数名、話をしていたりするが。



「とりあえず、はいっ」


「あ、ありがとうございます」


自分のと一緒に汲んできた無料のお茶を友美ちゃんに渡す。すると、アホ2人が文句を言ってきた。


「えぇ~っタっちゃん、ボク達の分はぁ~?」


「そうだそうだっ。なんて周りに気の配れないやつなんだっ。私はそんな子に育てた覚えはありませんのよっ」


「うっさいぞボケっ。あいにくオレの手は二本しかねぇーの。紙コップ二つしか持てないっての。それとカズ、後で殺すでな」


最後の方はカズを目を見ながら殺意を含ませて言ってやった。


「ごめんね、友美ちゃん。アホ2人がうるさくて」


「あ、いぇ…そ、そんな事ないです。と、とても面白い人達だと思います」


「あっトモちゃん見る目あるねぇ~、カっちゃんおもしろいよぉ~」


「おぉーっ、友美ちゃんわかってるぅー。おれおれっ、おれおもしろいよねーっ」


このアホはお世辞だというのに気づかんのか。それと自分で面白よねとか言うな…。


「あぁーもうっ、なんでもいいからお前らお茶入れに行ってこいよっ。ついでにテルの分もなっ」


「ちぇーつれないなぁタクやん。そんなんじゃ波に乗り遅れるぞぉー。マコやん、お茶取り行こぉーぜぇー」


何の波に乗り遅れるのか知りたいところだが、そんなこといってると全く話が進まないのでアホ2人をとりあえずどこかに行かせることにした。


「うんっ、行こぉーカっちゃん」


2人仲良く手を繋いで、スキップしながら行ってしまった。パッと見、カップルに見えなくもないな。


「アホ2人が行ったところで話を始めよっか」


「…はぃ」


「まぁ多分わかってると思うけど、話ってのはそのぉ……水泳部室の覗きの事なんだけど」


「…………はぃ」


「………」


恐いなぁ。段々小さくなっていく友美ちゃんの声が、そのうち出なくなるのではないのかと。それにさっきまで作り笑顔かもわからないけど笑っていた顔が、今じゃこの世の終わりみたいな顔をしている。


くそっ。

その顔を見たら逆にオレが、声が出なくなってしまった。


喉に何かがつっかえてやがる。


「覗きっていうのは、ホントにいるの?」


オレの喉が機能停止しているのをみて、テルが代わりに友美ちゃんに話始めた。


「……ゎかりません」


「じゃあ何で昨日、生徒会に覗きがいるって言ったの?」


「ゎ、私は覗きの姿を見てないんです…。でも、…………」


「でも?」


「………感じるんです。何かが……誰かが見てる……、視線を……。しかも、…たくさん」


友美ちゃんの体が僅かに……いや、もう明らかに震えていた。


「…たくさん? それはどういう…?」


「……着替えていると、後ろから………窓から…………扉から………」


言葉を重ねていくたびに友美ちゃんの体の震えが大きくなっていく。



ついには彼女の右目から一つの涙がこぼれ落ちた。



目目目目目目目目目目目目目目

目目目目目水島友美目目目目目

目目目目目目目目目目目目目目


たくさんの視線。


オレだったら……、



堪えられない。



「わかったよ友美ちゃん!!! 大丈夫っ!!! オレがいるからっ!!!」


やっと出たオレの声は、自分でも驚くぐらいしっかりと芯の通った声だった。


「オレだけじゃないっ!!! カズっ!!! マコっ!!! テルだっているっ!!!」


「……はぃ」


「だから大丈夫っ!!! オレ達、タカテマが何とかしてやるっ!!!」


「……はいっ…」



女の子の涙は核兵器並の威力だね、こりゃ。




  *




「ボク思うんだけどさぁ、タっちゃんってボクとカっちゃんのこと、アホアホ言うけど中間とか期末テストの結果みるといっつもボクの方がタっちゃんより順位上だよね」



「オレがいるからっ、だから大丈夫っ!!!」なんて我ながら恥ずかしいセリフを勢いよく豪語してしまったオレだが、その後の友美ちゃんは何かが吹っ切れたように『水泳部室覗き事件(仮)』の詳細を語ってくれた。


「それにボク、授業の時、先生が板書したのちゃんとノートに写してるもん。タっちゃんやカっちゃんみたいに寝てないしゲームもしてないよぉ」


『水泳部室覗き事件(仮)』の詳細はこうだ。


市内の水泳大会のリレーの選手として出場することになった友美ちゃんは、リレーの他のメンバーに迷惑をかけたくないと二週間ぐらい前から部活の練習時間が終わった後もプールに残り、一人自主練習に励んでたそうな。

そして、その時かららしい。誰かに見られている気配がし始めたのは。

最初は視線は今みたいにたくさんではなかったらしい。だから、そんな気にもとめなかった。でも、最近になって視線が増えて怖くなって生徒会に相談しに行った。


というのが、友美ちゃんが体を僅かに震えさせながらも話してくれたこと。


「でね、これからはボクの事、アホって言うのを禁止にしようと思いますっ。あっでも、カっちゃんはアホって言ってもいいよ。だって、カっちゃんは正真正銘のアホだから……ってねぇー、タっちゃん聞いてんのぉー?」


学校からの帰り道、友美ちゃんから聞いた話を頭の中で整理していると、先程からオレの横でブツブツ何か言っていたマコはどうやらオレに話をしていたらしい。


ちなみにテルとカズは、オレとは家が違う方向にあるため途中の分かれ道でわかれた。


「あぁ………聞いてない」


「もうっ、ちゃんと聞いてよっ」


怒られてしまった。


「タっちゃんっ、人の話はちゃんと聞こうよぉ。そんなんじゃ、彼女出来ないよぉー」


「大きなお世話やい。マコだって、彼氏いないじゃねーかよ」


「う、うんまぁいないけどさぁー。……ん? 彼氏い? ……ちちちょっと彼氏っておかしいでしょぉーっ!!!」


「あははははっ、じょーだんだよじょーだん」


「もぉ~……」


オレより身長が少し小さいマコが隣に並んで若干上目使いで睨まれても全くもって『恐い』なんてものは感じない。それどころか、やっぱり可愛いなぁなんて思うのがもうオレの中で定番化している。



「………」


「………」


「………」


「………?」


さっきまであれこれうるさく喋りながら笑顔を振りまいていたマコが、突然一言も喋らなくなった。それが沈黙となって現れた。


「………」


「マコどした? いきなし静かになって」


「……あのね、トモちゃんのことなんだけどね」


「…………あっ、おう。友美ちゃんがどした?」


さっきの笑顔とは真逆のような顔をしながら『水泳部室覗き事件(仮)』がらみの話をしようとするマコを見て、少しだけ間を空けてしまった。


「……震えてたね」


「……あぁ」


「……泣いてたね」


「………あ、あぁ」


友美ちゃんの涙を流す顔が頭の中で勝手にフラッシュバックする。



泣いてた。



 目

 ↓

 涙



オレ達が教頭のかつらがどうとか女子プロレスがどうとか、そんなことをしている時、友美ちゃんは一人苦しんでいたんだ。


それがオレには、昨日女子プロレス部のやつらから食らった技なんかより100倍も強い衝撃だった。



「…だからね、……絶対犯人捕まえようねっ!!!」


「おうっ、あたぼーよっ!!!」


「あははっ、タっちゃんそれ古い~」


「うるせーっ」


「あははははっ」





とりあえず、一つ決めた事がある。それは、



犯人見つけたら、一発ぶん殴る。






いやいや。

最後まで読んでくださって、ありがとうございます。


どうだったでしょうか?



ということで、

覗き事件の詳細が綴られた話となりました。


次回はあの話です。


あれですよあれー。


第九話であったあの柚葉と志乃のくだらない作戦の話ですよー。

まぁ彼女達は大真面目なのですがww



それでは、第十二話でまた会いましょー。



では~




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