執務だけの王太子妃だったので、婚約破棄をしましたの!だから、商団を立ち上げますわ!
「N0843MY」こちらが前作です!
婚約破棄メインとなっています!
「失礼いたしますわ」
もぅ!私ったら......ライアンまで連れてきてしまったわ!
私もって聞かないからっ!
「すまない!愚息が」
「申し訳ないわ!セリーヌちゃん」
ありゃりゃ~相当罪悪感を感じてるわね。
悪いのは両陛下ではなくってその愚息と私の義妹ですのに......
「気にしていませんから!」
ここは、笑顔よぉ!
って王妃様?!なぜ泣き出しているの?
陛下もオロオロしているじゃないの!
「ごめんなさい!あ、貴方の成長が……嬉しいの。それに比べてあの放蕩息子はっ!セリーヌちゃんを、悪役呼ばわりして!」
あぁ~相当お怒りだね。
「だから、大丈夫ですよ!」
ここは、笑顔で押し切ってしまえ作戦!
あれ~?余計に泣かせちゃった......
「んん!陛下……」
おっ、ライアン!
ナイスタイミングよ。今すぐ抱きしめたいわ!
「お話があるとのことでしたので、お連れいたしました」
そうよ......本題は?!
「あぁ、そうだったね。謝っても謝りきれないほどのことを愚息がしているんだ。せめてもの、お詫びの品だよ......家は、手配しているんだけど」
「ご心配なくですわ!私、商会を立ち上げようと思っていますの。商団のつもりでしたけれど、旅をするのは危険ですから、商会を大きくしてから世界を回ってみようかしら!」
両陛下は心配性なうえに、罪悪感があるみたいだから私がしっかりしなくては!
「いいんじゃないかしら?ねぇ陛下」
「あ……あぁ!いいじゃないか!」
やったわ!
今とっても嬉しいわ......!
ライアン......何よ、その赤子を見るような微笑ましい視線は!
あとで、文句の1つや1つ言ってあげなきゃ。
「......なぁ、いつ立ち上げるつもりなのだ?」
あ……それは考えていなかったわ!
でも、経済的に自立したいということを考えると......
「今すぐにでも!」
「そうか、わかった!では、名前は?」
自分の名前......?
いえ、正体は隠した方がいいわよね!
アナグラム......?
ん~っつ!ど~すれば!
「............『ソレイユ商会』なんていかがでしょうか?」
ライアン、何を言っているの?
ソレイユ?
「その意味は?」
「太陽のように輝く商会に育つように......と思いまして」
まぁ、素晴らしいわ!
やっぱりさすが私の部下!
「採用!『ソレイユ商会』にいたしますわ!」
どうして、陛下は先ほどからニコニコなされているのかしら?
「第8代ユーグリーク国王.....レリウス1世が命じる。其方らの『ソレイユ商会』に『ユーグリーク王室御用達』の称号を授ける。今後ともよろしく頼む......……」
え……?王室御用達ですって?!
あの、すべての商人の花形とされる?!
「これを授けよう」
なにかしら?あれは、まさか!
「・・・・・・」
ライアン?
あっ!私としたことがっ!
驚きすぎて頭が追い付かないわ!
「こ、光栄にございます.....陛下」
うまくできたかしら?
やっぱり!
「商会設立許可証」「王室御用達証明書」だわ......
しかも、王印に直筆サイン入り!
でも、こんなのもらってしまっていいのかしら?
「陛下!セリーヌちゃんがびっくりしてるじゃないの!」
王妃様ぁ!
味方してくださってありがとうございますぅ!
「あ……すまない。売れ行きはこちらの方が上がるかと……」
こんなに、しょんぼりしていらっしゃる陛下も珍しいものね......さすが王妃様!
本当に尊敬ですわ!
バンッ!
うっわ!何かしら?
「へ、陛下!ゴーンウィックから使者が!」
「ぬっ!ちと、早くないか?」
「転移魔法陣を使用して少人数できたとのこと!お通ししてもよろしいでしょうか?」
「……かまわん」
お母様に実家の話をすると、遠くに行ってしまいそうだったから言わなかったけれど......!
というか、陛下……本当に早くないかしら?
まだ婚約破棄して半日もたっていないのよ?!
どうやって、使いの人は?
「あのね、セリーヌちゃん」
王妃様?手招きしていらっしゃるということは、向かえばいいのよね?
「陛下はね、事を聞きつけた3日前に使者を出したのよ」
そうだったんだ!
「なるほど!」
妙に納得してしまうわ......
◇◇◇◇
「王国の偉大なる光にご挨拶申し上げます。スタールリン侯爵家当主が嫡男アリスター・ド・スタールリンが代表としてまいりました」
今スタールリン侯爵家って言った?
「そこにいるのが、セリーヌだ」
陛下、どうして私に振るの?!
「初めまして!セリーヌ嬢。僕は、アリスター・ド・スタールリンです!君とは従兄になるかな」
あれ?
意外と好印象?なのかしら…
ん...スタールリン侯爵家……?
ちょっとさっきから引っかかっていたけれど......帝国でも名門中の名門侯爵家じゃないの!
まさか、お母様のご実家がそんなにすごい家だったなんて!
どうして、こんなにも親近感がわくのかしら?
あぁ…そっか、似てるんだ。この人と私。
髪も瞳もそっくりね。
私はお母様にそっくりだったもの......
まぁ、だから義母様に怪しまれたのでしょうね。不義の子って。
「陛下……我が帝国は、大切な叔母様を同盟の証にと交換もなしに明け渡したのに、一度も会うこともかなわず、葬式も参加させてもらえず......どれだけ父上が悲しんだかおわかりでしょうか?!それに加えて、送られてきた手紙は『娘が一人生まれた』『亡くなった』『娘が王太子の婚約者になった』この3通だけなのですよ?」
え……?おかしいわ!
お母様は、お手紙ばかり書いていたもの!
いつも誰に?とお聞きすると、お兄様にっておしゃって!!
返事が来なくて、悲しんでいたのは、そもそも届いていなかったの?!
「それに、セリーヌ嬢が不当な扱いを受けているだなんて信じられません!幸せに暮らしていると思っていましたのに!連れ帰らせてください!もう、こんな国にいさせるわけにはいきませんから!」
痛い!バカ力ね!
いきなり腕を掴まないでくださるかしら?!
連れ帰るですって?!ソレイユ商会は?
「嫌よ!」
「え……」
あ、振りほどいてしまったわ!
えぇいこうなったら!
「陛下からいただいたお金で商会を立ち上げるの!もう『許可証』も『王室御用達』もいただいたのに、引き下がれないわ!」
そうよ!
ここで、引き下がってなるものですか!
「......それなら......『商会承認証』『ゴーンウィック帝国王家御用達』これでよろしいですか?セリーヌ嬢」
え……?
どうして、貴方がそんな王家御用達なんて言葉を付けれるのよ!
そんなに、名門なのかしら?
「あ~......知らないよねぇ箱入り娘っぽいしさぁ。『僕はアリスター・ド・スターリン。帝位継承権は第5位なんだ』これで信じてもらえたかな?ちなみに、君が戻ると肩書に『帝位継承権6位』が加わるね。まぁ、僕らにお鉢が回ってくることはまずないから!あ、僕が今ここにいるのは国の外交担当だからだよ!」
え?帝位継承権?
何を言ってらっしゃるの?
ど~しましょう!
最近は国内の内政ばかりをしていたから、全く国外は知らないわ!
主要貴族の名前にそれはあったけれど、仕事に押されてそれどころではなくなってしまったものね。
あの頃は、正式に結婚してから死ぬ気で勉強するかと思っていたもの。
「ありゃ?まだわかんないかぁ.....陛下、よろしいですか?」
「本当の家族に会えたんだ。好きにしてくれ」
「ありがとうございます!」
なにが、よろしいですか?だよ!
「実は、僕たちの祖母様が本当のスタールリン侯爵家の人間なんだけど、叔母様が王国に向かう前の戦争で弟妹をなくされて、一人になってしまったところに、財政難だった王家の第二王子だった祖父様が婿養子に入ったってわけだよ」
「なるほど?」
いやぁぁぁぁぁ!
私、どうしてもその辺は苦手なのよ!
ライアンが得意だから、補佐任せるつもりだったもの!
やだ!私ってばすっかり後悔してるじゃないの!
「帝位継承権で行くと、皇太子殿下が1位。そのご息女とご子息が2位と3位。そして、皇太子殿下の実弟が4位。それで、僕の父上は破棄してるし叔母様は亡くなっているから、僕が5位で君が6位ってわけさ」
お母様って、そんなにお嬢様だったの?!
陛下の顔は、知ってたわね。
王妃様は、なんだか怖いわ!
「まぁ、そういうわけだから......帝国に行っておいて!ここにいても愚息が何をするかわからない。なぁ、提案をしてもいいか?」
「何でしょう?」
え?アリスター?提案って何なのよ?!
「『ソレイユ商会』は、国境の通行料も許可証もいらない。そのかわり、特殊な許可証を出そうじゃないか......どうだろうか?」
どういうこと~!
やっぱり、政務は向いているけれど、外交は向いてないわ!
「いいでしょう。では、こちらにサインを」
二人とも、迷いなく書いているけれど大丈夫?!
「神に誓って破るような事は致しません」
「この盟約は永久不滅だ」
何を言い出したの?
紙が浮いて、光の粒になって消えた?!
あ、これがあの魔法契約なのね!
なにか、握手をしてるわ!
「あ、あの~陛下」
ライアン?
どうしたのかしら?
自信満々の姿ではないわ!
「許す」
「ゴーンウィック帝国側は、セリーヌ様がいるから大丈夫なのですが、ユーグリーク側は誰が担当を......?」
はっ!これならわかるわ!
「ライアンしかいないじゃない!ねぇ、アリスター様に陛下!」
この二人に言えば断れるまい!
「そうだね!」
「あぁ」
「わ、私がですか?!平民の?」
平民って、貴方めちゃくちゃ優秀じゃないの!
だから私が引き抜いたのに!
「平民なのが、問題ならば領地はやれぬが『男爵位を授けよう』名字は何が良いのだ?」
え……うっそ!
でも、その方が貴族相手の商売はやりやすいわ!
「セリーヌ様は、当然正体を隠されていた方が良いと思うのです。ですので、『ソレイユ』と。もちろん......会長はセリーヌ様ですが、私が表の会長となったほうが、セリーヌ様は動きやすいかと思うのです!」
「ほぅ~公表できないというのですか。あの、バカが流した噂のせいで?」
噂?
どうして、陛下もライアンも顔を真っ青にするの?
王妃様は焦ってらっしゃるし。
「もしよろしければ、廃嫡とか出来ませんかねぇ?隠居という形で!それか、謹慎を......」
「それに関してなのだが、アリスター殿......我が家には秘蔵っ子がおりまして......社交界デビューもしていない、優秀な女の子が」
「ルティアナ様のことですか?」
はぁ~!もう、本っと~に可愛い!
思い出すだけでもにやけちゃう!
年の離れた兄とは大違い!
確か、14違うのかしら?
「その子がせめて、大きくなるまでは勉強漬けにさせますから!我々も少し教育を見誤ったと思っておりまして......」
「そうでしたか。では、そのように!これで、父上に良い報告ができます」
アリスター!怖い!!
なによ、その威圧感は!
美形少年に似つかない!
「えぇ......では『ソレイユ商会をユーグリーク王家御用達として、承認します』」
「僕も......『ソレイユ商会をゴーンウィック王室御用達として、承認いたします』」
なんか、あっという間だったけれど、承認されたのね!
商会立ち上げから従兄は来るわ、婚約破棄されるわ、悪役呼ばわりされたり......1日で1年分の気力を使い果たしたかもしれないわ!
◇◇◇◇
「元気でね!セリーヌちゃん」
「達者でな!」
「両陛下も!」
あぁ~なんか、あっけないわね。
最後って言うのは。
しばらくしたら、遊びに来ようかしら......
「では、ゴーンウィックに向かいましょう!セリーヌ嬢!」
「はいっ!アリスター様っ!」
さぁ、まだまだ商会は始動したばかりだもの!
でも手紙を妨害していたのは誰?
読んでいただき、誠にありがとうございます。
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今後も連載を続けていきます!
次回はゴーンウィックでのお話です。




