第46話
「このタイミングで来るか!?」
「………十輪寺、皆を頼んだ」
「え? ヒカル、今何て……って!? オイ、ちょっと待て!」
こちらに向かって来るスターズ・レッド・エクレクスを見て、栄人が思わず叫びどうするべきか考えようとした時、突然ヒカルが自分の乗っているスターズ・レッドを飛び立たせてスターズ・レッド・エクレクスに向かって行く。
「ヒカルのヤツ、もしかしなくても一人でスターズ・レッド・エクレクスを食い止めるつもりか!? 一人じゃ敵わないのはもう分かっているだろうが?」
最初に一人でスターズ・レッド・エクレクスに挑んだ時とは違って、今は一人だけで光装竜の王に対抗するには力不足であることは重々承知のはずだ。しかしそれでも仲間達のため、一人でスターズ・レッド・エクレクスに立ち向かおうとするヒカルの姿はまさに物語の主人公のようであったのだが、それを見て感動できるのはあくまで物語してだけである。
「待て、ヒカル! くっ……!」
「ーーーーー!」
栄人は何とかしてヒカルを止めるか援護をしようとするが、それをスターズ・ネクローンが咆哮を上げて牽制してくる。
「ちっ! 邪魔するなよ、コイツ。……ん?」
今にも襲いかかってきそうな目の前のスターズ・ネクローンに思わず舌打ちをする栄人であっらが、そこで彼はある異変に気づく。
確かに目の前のスターズ・ネクローンは今にも襲いかかってきそうではあるが、それでも襲いかかってきそうなだけで今はこちらの様子を注意深く観察しているだけであった。もちろん攻撃のタイミングを伺っているだけと言われたらそれだけだが、他の栄人達を取り囲んでいる光装竜達も同じく栄人達の動きを見ているだけで、すぐに襲いかかってくる様子は感じられなかった。
「……? これって一体どういうことなの?」
「ヒカル君!」
ここでようやくタツミも栄人と同じ違和感を感じ取り、周囲の光装竜達を見回しながら疑問を口にする。するとその時、ミサキが空を見上げながら悲鳴のような声を上げる。
「⬛︎⬛︎⬛︎ーーーーー!」
「……っ!? やはり速い……!」
ミサキの声を聞いて栄人とタツミも空を見上げると、上空ではスターズ・レッド・エクレクスに追われて逃げているヒカルの姿があった。
「ヒカル! やっぱり無茶だ! ここは………っ!?」
「ーーーーー!」
スターズ・レッド・エクレクスに追われているヒカルを見て、栄人がとっさに自分の右手をカードが収納されている左腕の手甲に伸ばそうとすると、スターズ・ネクローンが再び咆哮を上げて栄人の動きを牽制する。その時、栄人は何故か咆哮を上げるネクローンがまるで「大人しく見ていろ」と言っているような気がして、彼の中で一つの考えが浮かび上がる。
「………まさかスターズ・レッド・エクレクスは、ここにいる光装竜達はヒカルを試そうとしているのか?」




