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機竜戦騎Dragon&Dragoon 〜序盤に倒される悪役に転生したが、主人公達が弱すぎる!?〜  作者: 兵庫人


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第19話

(さて、これからどうしようかな……ん?)


 スターズ・レッドの特殊能力を確認した栄人が次の攻撃の手を考えていると、周りから観客達の声が聞こえてきた。


「新入生にしては結構レベルが高い戦いだな」「そうだな。新しいシリーズの強力なモンスターを操っている十輪寺もそうだが、特殊能力を使って十輪寺の攻撃を完璧に防いだ虹城も中々やるな」「二人共、完全に自分のモンスターを操れている」「モンスターを戦わせるのは、ただモンスターを動かすのとはわけが違うのに……」「まだろくに戦闘訓練もしていないのにあそこまで戦えるだなんて……」


(あれって上級生達か? まだ戦い始めたばかりだっていうのに、何をそんなに驚いているんだ?)


 周囲から聞こえてくる声は全て上級生達からのものであり、栄人が何故上級生達が驚いているのか分からずにいると、その間にヒカルが次の行動に移ろうとしていた。


「俺は新たにサポートモンスター『光装竜スターズ・ラスター』を召喚する!」


 ヒカルがモンスターカードを使うと、頭部が機械の巨大な鳥の外見をしたモンスターが現れ、巨大な鳥のモンスターも機械の頭部だけを残して消えて、残された機械の頭部はスターズ・レッドと一体化する。


(三枚目の光装竜カード? これってもしかしたら残り二枚のカードも光装竜カードの可能性もあるのか? ……そうなると少し面倒だな)


 スターズ・レッドを初めとする光装竜の名称がつくモンスター達には、泳炎竜の「他のカードの効果で破壊された場合、相手プレイヤーのライフポイントに二ポイントのダメージを与える」能力のような共通する特殊能力があり、それは「自分のターン開始時に生み出すエナジーを二倍にする」という能力であった。


 光装竜のモンスターが揃えば同じ数のモンスターを揃えた時よりも多くのエナジーが集まり、そのエナジーを使ってスターズ・レッドが特殊能力を使えば並大抵の攻撃では通用しなくなって、それは厄介としか言いようがなかった。


 栄人が自分の左腕に視線を向けると左腕のパワードスーツの装甲が展開してそこから五枚のカードが現れる。五枚のカードは全て泳炎竜のモンスターカードで、栄人は五枚のモンスターカードを右手で持つとどの様に攻撃を仕掛けるかを決めた。


「せっかくいい手札が来たんだから、ここは攻めさせてもらうぞ? 『泳炎竜ヴォルダイブ・ビグマス』を召喚!」


 栄人が五枚のモンスターカードから一枚を選んで新たなサポートモンスターを召喚する。召喚されたのは先日異世界で戦った機械の頭部を持つワニのようなモンスター、ヴォルダイブ・ビグマスで、ヴォルダイブ・ビグマスの頭部がヴォルダイブ・ザイラーと一体化するのを確認した栄人は、残った四枚のモンスターカードを前方に投げ捨てヴォルダイブ・ザイラーに喰わせた。


「モンスターカードを一枚破壊してヴォルダイブ・ビグマスの特殊能力発動! 『フレイムロアー(炎の咆哮よ)エナジーダウン(敵の戦意を削げ)』!」


「……っ!?」


 栄人が特殊能力を発動させた瞬間、ヴォルダイブ・ザイラーが口から炎を吐き出され、炎はヒカルとスターズ・レッドを飲み込むとせっかく蓄えたエナジーを減少させる。しかし栄人の行動はこれで終わりではなかった。


「続けてモンスターカードを二枚破壊してヴォルダイブ・ザイラーの特殊能力発動! 『ブレイジングミサイル(燃え盛る誘導弾)バーンスコール(地を焼く驟雨となれ)』!」


 栄人が二回目の特殊能力の発動を宣言すると、ヴォルダイブ・ザイラーの背中にある機械の筒から大量のエネルギー弾が発射されてスターズ・レッドの機械の脚部と頭部、ヒカルが召喚した二体のサポートモンスターを破壊する。


「っ!? サポートモンスター達が……!」


「ここで攻撃! ヴォルダイブ・ザイラー! ブレイジングミサイル!」


 自分のサポートモンスターが破壊されたことにヒカルが驚いた表情を浮かべると、その隙を突いて更にヴォルダイブ・ザイラーがエネルギー弾を放つ。しかしエネルギー弾が命中する直前にヒカルがスターズ・レッドの特殊能力を発動させる。


「……! エナジーを使ってスターズ・レッドの特殊能力発動! 『スターライト(星の光よ)スケイル(強固な鱗となれ)』!」


 ヒカルが特殊能力の発動を宣言するとスターズ・レッドの周囲に光の障壁が現れるが、そこに彼は更なる特殊能力を発動させる。


「残っているエナジーを全て消費してスターズ・レッドの特殊能力発動! 発動! 『スターライト(星の光よ)スケイル(強固な鱗となり)オールリフレクション(全ての攻撃を反射せよ)』!」


 ヒカルの二回目の特殊能力の効果によりスターズ・レッドの周囲にある障壁の光が強まる。


 これがスターズ・レッドの第三の特殊能力。


 効果は「自分のエナジーをゼロにすることで相手からの攻撃によるダメージをゼロにして、更に相手のリーダーモンスターの攻撃力と自分のリーダーモンスターの防御力を合わせた値と同じダメージを相手のライフポイントに与える」という、自分の防御力と敵の攻撃力が高いほど強力なカウンター技であった。


 このスターズ・レッドの第三の特殊能力が決まれば、ヒカルは栄人のダメージを与えてそこからまだ巻き返すチャンスがあったかもしれないが、それを許す栄人ではなかった。


「そうくると思っていたよ! モンスターカードを一枚破壊してヴォルダイブ・ジャミーの特殊能力発動! 『ヒートウェイブ(炎波よ)スキルジャミング(敵の企みを妨害せよ)』!」


 前世から知識からスターズ・レッドの特殊能力を全て知っていた栄人はこの展開を予測しており、栄人はそれに対抗するための特殊能力を発動させる。


 栄人が発動させたヴォルダイブ・ジャミーの特殊能力の効果は「手札のモンスターカードか自分のサポートモンスターを一枚破壊することで、相手の特殊能力を破壊する」というもの。


「な……!?」


 ヴォルダイブ・ザイラーの機械の翼から放たれた高熱量の風によりスターズ・レッドの周囲にある障壁の光が弱まり、ヒカルとスターズ・レッドにヴォルダイブ・ザイラーのエネルギー弾が命中する。


「そして特殊能力の代償として破壊した四枚の泳炎竜の特殊能力発動! 『ヴォルダイブ(泳炎竜よ)エクスプロージョン(爆炎で死を飾れ)』!」


 ヴォルダイブ・ザイラーの攻撃がスターズ・レッドに命中したのと全く同じ瞬間に、特殊能力の代償に破壊した四枚の泳炎竜の特殊能力も発動し、ヒカルとスターズ・レッドは激しい爆炎に飲み込まれた。

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