第17話
「あれが光装竜スターズ・レッド。数年前に発見された『シリーズ』、光装竜シリーズの一体……。まさかヒカル君も栄人様と同じ、シリーズのカード使いだったなんて……」
運動場の外で数多くの観客に混じって栄人とヒカルの戦いを見ていたユキは、ヒカルがスターズ・レッドを召喚した光景に意外そうな顔をしていた。
ユキが口にした「シリーズ」というのは、共通の特徴や特殊能力を持ったモンスター達の総称であり、シリーズのモンスターは名前の前に「◯◯竜」といった名称がついていて、栄人が呼び出すヴォルダイブ・ザイラーを初めとする泳炎竜もシリーズのモンスターである。シリーズのモンスターは同じシリーズのモンスターとの特殊能力を使った連携を得意としているのだが、シリーズのモンスターカードを呼び出せる人間は非常に稀であるとされている。
ちなみに栄人の使う泳炎竜は極東国だけでなく世界でも最も新しいシリーズであり、しかもシリーズのモンスターカードだけでなく異世界へと転移できるゲートカードも呼び出せる人間は、今のところ栄人しか確認されていない。そのこともあって極東国は真っ先に栄人の身柄を確保し、彼にユキとミオといった護衛と身の回りの世話をしてくれるメイドをつけたのであった。
「ヒカルが栄人……様と同じ、シリーズのカード使い? じゃあ、もしかしてヒカルって栄人、様よりも強かった「そんなはずありませんやん?」……り?」
ヒカルが栄人と同様にシリーズのモンスターカードを呼び出せると聞いたミオの言葉を、ユキが途中で遮る。
「確かにシリーズのモンスターカードを入れたデッキは強いで? でもそれは同じシリーズのモンスターカードがある程度揃っていたらの話や。ヒカル君はスターズ・レッドの他にも光装竜のカードを持っているかもしれまへんけど、それでもデッキは五枚しかない。それに対して『ウチの』栄人様はデッキは上限枚数の六十枚で、モンスターカードのほとんどはヴォルダイブ・ザイラーと同じ泳炎竜シリーズ。その事から『ウチの』栄人様がヒカル君に負けるはずがありません。分かりましたか、ミオちゃん?」
「は、はい……」
ミオに栄人がヒカルよりも強い理由を説明するユキは笑顔であったが、その笑顔からはいい知れぬ圧力を感じ、更には栄人のことを自分のだと念を押すように言うユキに、ミオは思わず一歩引いて頷いた。
そしてミオとユキが話している間に、召喚したモンスターに乗って運動場の上空に飛び上がったヒカルは次の行動に移ろうとしていた。
「『サポートモンスター』として『光装竜スターズ・ブート』を召喚する」
ヒカルが手に持ったモンスターカードを使うと、空を飛ぶスターズ・レッドの真下に両脚が機械の二足歩行型の恐竜のようなモンスターが召喚される。しかしヒカルが新たに召喚したモンスターは機械の両脚を残して消えてしまい、残された機械の両脚は吸い込まれるようにスターズ・レッドの元へと向かうと一体化し、スターズ・レッドの両脚はスターズ・ブートの機械の両脚と化した。




