表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
機竜戦騎Dragon&Dragoon 〜序盤に倒される悪役に転生したが、主人公達が弱すぎる!?〜  作者: 兵庫人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

15/20

第15話

(一体どうしてこうなった?)


 その日、栄人は自分がこの世界に嫌われているんじゃないかと本気で思った。


 空を見上げると陽が高く昇っており、時刻はすでに正午を過ぎている。本来であれば昼休みが終わって午後からの授業を受けるために教室にいるはずなのだが、栄人は今モンスターを使った模擬戦をするための運動場にいて、運動場の周りにはユキとミオを初めとした数多くの観客が集まっていた。


 そして栄人の前にはヒカルが自分に油断のならない視線を送っており、この光景はまさしくゲームの「ドラグーン・アカデミー」の序盤で虹城ヒカルと十輪寺栄人が戦うシーンそのものであった。


(虹城ヒカルとの戦いに負けた十輪寺栄人はそれからゲームに登場しなくなる。そこから考えて現実の世界でもヒカルと戦えば俺にとって良くない出来事が起こるかもしれない……。だからこの展開を避けるために細心の注意を払ってきたはずなのに、一体どうしてこうなった?)


 そこまで考えて栄人は三十分前の出来事を思い出す。


 ことの始まりはミオの発言からであった。


 その日のミオは朝から表情が暗く、午前中も仕事の合間にどこかと連絡を取り合っていた。そして昼休みに昼食を終えた栄人が食堂から教室へと帰ろうとした時、彼女は突然頭を下げてこう言ってきた。


「お願いします! こんなことは頼めることじゃないって分かっているんですけど! 私にカードを譲ってください!」


 いきなり栄人の持つカードを譲ってくれと言い出した時のミオは涙を流しており、そのただならないミオの様子に驚いた栄人とユキがどうしたのかと事情を聞こうとした時、騒ぎを聞きつけたミサキが現れたのだ。


 ミサキは涙を流しながら栄人に頭を下げているミオを見た瞬間、栄人がミオを泣かせていると判断して自分のカードからモンスターを召喚しようとしてきて、この時はユキがミサキを止めてくれたのだが、次に現れたヒカルが栄人に向かってこう言ってきた。


「十輪寺栄人……俺と戦え」


 ヒカルの言葉を聞いた時、栄人は思わず「何で!?」と聞いたが、それに対してヒカルは「俺が勝ったらそこにいるミオさんが泣いている理由を俺とミサキに説明してもらう」と冷静に答えになっていない答えを言う。どうやらヒカルはミサキと違って、栄人がミオを泣かせた原因だと決めつけてはいないようだったが、ミオが泣いているのは大きな事情があって普通に聞いても話してもらえないだろうと考え、カードの勝負で勝つことで事情を聞くことにしたらしい。


 困ったことがあったらカードの勝負で決着をつけるという考えは、このカードゲームの世界では至極当たり前の常識であった。自分の魂からカードを呼び出すことができるこの世界の人間にとって、カードの勝負を挑まれたらそれを受けて、勝者の言葉に従うのは抗うのが難しい本能のようなものであるからだ。


 加えて言えばここは実力のあるカードの使い手を育成するための学園で、生徒同士のカードの勝負はむしろ推奨していて、本来ならば授業の時間なのにカードの勝負をしている栄人とヒカルを教師達が咎めないのもそれが理由であった。


「仕方がない……戦うしかないか」


 このカードゲームの世界においてカードの勝負を挑まれて逃げることは大変不名誉なこととされ、これだけ観客が集まって、しかも極東国で最高峰とされるカードの使い手を育成する学園でカードの勝負から逃げたとしたら栄人の名誉は地に落ちるだろう。そしてそれは栄人本人だけでなく、栄人の父親が経営している会社にも影響を少なからず与える可能性もあり、そこまで考えて栄人はヒカルと戦う覚悟を決めるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ