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処刑人の娘は満月に選ばれ、冷静な頭脳で冤罪を暴き、辺境伯に溺愛される  作者: 風谷 華


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【エピローグ】

結婚式から

1ヶ月後——

バーバルマン要塞の執務室。

私は地図を見ながら、書類に目を通していた。


「ガルゼイン帝国との貿易、さらに拡大……」

「国境警備も、完全に平和維持に移行……」

「うん、順調ね」


コンコン。

「はい」

ポールが入ってきた。

「エリーゼ、少し休憩しないか?」

「まだ仕事が——」

「君は働きすぎだ」

ポールは呆れた顔をした。


(この会話、何度目だろう)


私は笑った。

「わかったわ」

私は立ち上がった。

ポールが私の手を取る。

「ちょっと、見せたいものがあるんだ」

「何?」

「来ればわかる」

私たちは要塞の外に出た。

中庭を抜け、丘の上へ。


そこには——

美しい花畑があった。

「わあ……」

「ライナスが送ってくれた種を、兵士たちと一緒に植えたんだ」


ポールは嬉しそうに言った。

「綺麗だろ?」

「ええ、とても」

私は微笑んだ。


色とりどりの花が咲いている。

平和の象徴。

希望の象徴。

「エリーゼ」

「何?」

「俺たち、幸せだな」

ポールが言った。

「ええ」

私は頷いた。

「本当に」

私たちは花畑に座った。


空を見上げると、青く澄んでいた。

「これからも、ずっと——」

ポールが言いかけた時。

「バーバルマン様!エリーゼ様!」

兵士が駆けてきた。

「どうした?」

「お二人宛に、お手紙です!」

兵士は手紙を差し出した。

ポールが開く。

そして——笑った。


「何て?」

「お父上からだ」

ポールは私に手紙を見せた。

『エリーゼ、ポール

二人とも、元気にしているか。

こちらは相変わらず、静かな村で暮らしている。

畑仕事も始めた。意外と楽しい。

お前たちも、幸せに暮らせ。

そして——

いつか、孫の顔を見せてくれ。

父より』


私は顔が赤くなった。

「お、お父様……!」

ポールは笑っている。

「いい考えだと思うぞ」

「え!?」

「俺たちの子供」

ポールは真剣な顔で言った。

「いつか、欲しいな」


私は心臓がドキドキした。

「そ、そうね……」

「いつか……」

ポールは私を抱き寄せた。

「エリーゼ、愛している」

「私も、ポール」


私たちはキスをした。

花畑の中で。

青空の下で。

幸せに包まれて。

これが、私の新しい人生。

処刑人の娘ではなく——

一人の女性としての、人生。

愛する人と共に、歩む人生。


そして——

これからも、続いていく。

ずっと、ずっと。


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