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81話

 二人が案内されたエルフ屋敷の大広間、その上座にアマラ王女が座っていた。側には数人の男性のエルフがボディガードのように並んでおり、その中にはオリザの姿もある。彼らがアマラ王女の夫たちなのだろう。

「こたびの戦で、貴方達は多大な貢献をしました。よって我らの客人として認め、貴方達を歓迎します」

 王女は二人にそう告げる。しかし、隣にいるミトソはあまり嬉しそうではなかった。その理由はすぐにわかることになった。

「それで、貴方たちには私の来賓として相応しい格好をしてもらいます。使用人!」

 王女の声に合わせて数人の屋敷の使用人が二人を取り囲む。二人の手を取り足を取って採寸を測ってるようだ。

「急いで彼らに合った衣装を。そんな流浪の旅人みたいな埃っぽい格好、王女の客人に相応しくありませんからね」

 いなくなったと思ったら、新たな使用人が二人にブラシをかける。さらに仮名のいい香りのする香水を振りかけられる。その間に衣装の準備が出来たらしく、あわただしく二人は着替えるために別の部屋に通される。

「それでは、二人ともまた会いましょう」

 王女の来賓として相応しい格好。どうやらエルフの上流階級は身だしなみや格好に気を使うようだ。それも自分だけでなく己の客人にも。通された個室でまるで人形に衣装を着せる様にあっという間に着ていた服をエルフの使用人たちに脱がされ、別の衣装を渡される。刺しゅう入りのドレス。まるでどこかの国のお姫様になったかのような気持ちだ。

部屋を出ると、既にミトソも着替えが終わっていたが、ぴちっとしたタイツの様な下着の上に、窮屈そうなかっちりとしたボタンの服を着ている。こっちはどこかの王子様だ。

「どう? エルフたちのもてなしは……」

 ミトソが尋ねるが、今の所そんなにアルマには悪くなかった。こんな上等な格好は生まれて初めてだ。

「僕にはとても窮屈だ。それに、今度は立ち振る舞いで注文を付けられるからその度に直す事を強要される。まるでエルフの一員にされた気分だ」

 ぶつぶつと文句を言うミトソだが、こういうかしこまった格好や立ち振る舞いを要求されるから王女との結婚も嫌だったのだろう。なんとなくそう思った。

「それじゃあお姫様、アマラ王女に会いに行きましょうか」

 そんな風にわざとらしい慇懃なお辞儀をするミトソと一緒に王女のいる広間へと戻った。

「まあ、それくらいでいいでしょう。この後は会食をして、その後で個人的なお話をしましょうか」

 既に予定が決められているようだ。その会食に、当然二人も参加しなきゃいけないだろう。

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