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22話

「僕? 一言で言えば神様。お酒を司る神」

「でも帝国は禁酒令を出してるじゃない」

「僕はこの帝国が出来る前からいたの! それを今の帝国で祀られている神が、自分の信仰以外を禁止したせいで、僕の様な古い神々は追放された。だから今は力を失って人間みたいになってる」

 アルマはどうやら神々の宗教争いに巻き込まれてしまったようだ。帝国の神と酒の神。自分が転生したのも、この争いに関係があるのかもしれない。

「ねえ、私をこの世界に転生させたのは君なの?」

「さーてね。でも、お姉さんはお酒が好きな事は一目見てすぐ分かったよ。魂からしてお酒の匂いがしてたからね」

 魂まで酒の匂いって、自分のにおいを嗅いでみるが、そんなお酒臭くはない……多分。

「これからどうするつもり?」

「取り合えず北に行こうかな。隣国との国境が一番近いし、帝国傘下の国だけど、他所の国なら騎士団もそう簡単には追ってこれないだろうし」

 つまりは、殆ど行き当たりばったりということだろう。それも自分が捕まったせいかもしれないので、アルマは口には出さなかった。

「お酒なんてその気になれば何処でも造れるんだ。帝国が如何に禁止しようと、お姉さんみたいな人がいる限り、僕も不滅ってね」

 北方という事は、地球と同じ環境であればとても寒いのかもしれない。そうすると出来るお酒も種類が限られてくる。所変われば酒も変わるのだ。

「私は酒が飲めればそれでいいわ。でも、もっと安心して飲める場所がいい」

「帝国の目が届かない場所まで行くしかないね。そんな所があればの話だけど」

 あのデュオンという男も、きっとまた追ってくるだろう。私を捕まえるためにどこまでも。本当に安心して酒が飲める場所なんてあるのだろうか。

「脱出祝いに一杯やりたいところだけど、お酒はみんな騎士団に捨てられたから、また造らないとな。道具も材料も、一から集めなきゃ」

 つまり、また無一文に逆戻りだ。しかも今度は追手付き。転生した人生のなんと前途多難な事か。

「今はいいわ。二日酔いでまだ頭が痛いから。少し休ませてもらうわね」

 揺れる馬車の中でアルマは横になる。なんて最悪な二日酔い。

 酒が抜ける頃には国境を越えてるだろうか、それともあのデュオン率いる帝国騎士団が追いかけてきてるだろうか。先行きの見えない不安も、二日酔いには勝てず、アルマはすぐに眠ってしまった。

ここからは基本毎日更新で書き進めていく予定です。予定は未定

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