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113話

 まず、アルマはミトソがロンやデュオンと結託して自分を助けに向かった事を聞き、それから後どうなったかを尋ねた。

「元老院を出た後、僕も急いで商人ギルドの本部に向かってね。そうしたら君を抱えたミトソ君を見つけたわけだ」

「どこか隠れる場所はないかおじさんに聞いたら、自分の家が帝都にあるからそこで匿ってくれる事になってね。それから一日ずっと君は寝ていたって訳」

 まさか、敵であった騎士団長のデュオンを仲間に引き込むなんて、ミトソが己の正体を現すなんてそこまで無茶をするとは思わなかった。初めて会った時は先に逃げたのに……けれど、あの時もギリギリの所で助けに来てくれていた。

「でも、本当に大丈夫なの? あの人、お酒が嫌いそうだし信用できるのかしら」

「できれば、帝都から抜け出したいところだけど……」

「帝都は商人ギルドが違法に酒を造っていた事だけでなく、他にも余罪がぼろぼろ出て来たみたいでね。他の主要な幹部を捕まえるために厳戒令が帝都中に敷かれて、一般人は出られないんだ」

 やっぱり、初めて会った時からうさん臭いと思っていたガーメットとか言うギルド長だったが、本当に悪い奴だったようだ。

「一応、僕は切り捨てられた末端の一員だし、帝国に告発した人間だから大目に見てくれると思いたいね……」

 とにかく、帝国騎士団が帝都中を回っているし元老院も今後の政治方針を大幅に変えていかなければならない。帝国は大きな変化のために一般市民は振り回されているという事だ。

「食料品なんかはまだ十分あるだろうから、僕が買いに行くよ。ついでに様子も見れるしね」

「お世話になってごめんなさいねロン」

 ロンは裏のない穏やかな笑顔をアルマに向けた。

「そんなことお互い様だ。本当なら僕だってエルフの国で人知れず行方不明になっていた所だ。ミトソ君が助けてくれたお陰で、こうして無事でいるんだから」

「別に、僕はそうした方が都合がいいと思ったから利用しただけさ」

「そんな悪ぶっても、助けてくれたんだからありがとうねミトソ」

 ミトソはぷいっと2人から顔を背けた。きっと照れているんだろう。ひねくれ者の元神だ。

「もし、また日常が戻ったら僕は細々と雑貨屋でも開こうかな。もう帝都の外で危ない橋を渡るのはごめんだからね」

「アルマはどうする?」

 元の日常……やりたい事はあった。エグノールスは自分を皇帝にして操るつもりだったみたいだけど、それを拒否してまでやりたい事だ。この世界の事もまだまだ知らない事がたくさんある。それを知りたくなった。

「勿論、お酒を造りながらミトソと一緒に世界を回ってみたいわ。エルフの国で言ったでしょ」

「あっはっはっは! 君は本当に変わった子だ!」

 呆れたように2人に笑われた。でも、ミトソは本当に嬉しそうだった。

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