第3話~決意~
礼拝でのステータス確認から数日...
俺はまだ悩んでる。
普通なら魔導士、召喚士適性が高いなら、親は喜んで召喚魔導士学校に進学させるが、それは将来冒険者、護衛騎士もしくは王国直属騎士になるということだ。
王国直属なら戦争や大災害(数十年から数百年に起きる魔物の大行進)が起きない限り最前線に行くことはないが、冒険者、護衛騎士は違う。
この2つはほとんど死と隣り合わせのようなものだ。
俺の父親も冒険者兼この村の護衛騎士だったが、3年前の猪系魔物ジャイアント・ボアと戦い相打ちという形で戦死している。
そのため、母さんは俺が戦闘職につくのをひどく恐れている。
万が一のことがあれば母さんが悲しむことはわかっている。
でも、俺は選んでこの世界に来た。
第2の人生を謳歌するために‼
「お母さん、お話が...」
「エル...決めたのね...」
俺が話す前にまるで心を読んだかのように母さんはすべてを察したようだ。
「ボク...召喚士になります‼」
「召喚士になって、みんなを守れる人になる‼」
俺の決意表明だ。
楽しく生きるだけが謳歌じゃない...
たとえきつくても、やりたいことをやりきる。
「エル...」
「あなたが決めたことなら、お母さんは全力で応援するわ。」
そういって、母さんは本棚の端においてある箱を手渡した。
「これはお父さんの形見...」
そういって箱に入っていた指輪を取り出した。
≪守護の指輪≫(装着者の防御力ランクを2段階あげる)
「お父さん、あなたが生まれた時から、戦闘職になりたいって言ったらこれを受け継がせるっていってたの...」
正直前世の記憶があっても今の記憶力がすごいわけではない...
父親の記憶もおぼろげだ。
でも、それでもはっきりしている前世の両親より俺を愛してくれているのは紛れもない事実だ。