護法先輩、推参 その3
わたしはその後、護法先輩と、待ち合わせの約束をした。
それは、その日の晩に、鈍太郎の家まで一緒に行く為であった。
先輩と約束をした時刻まで、少し余裕があったので、わたしはいったん家に帰り、自室のパソコンで「オゥメン教団」について調べてみる事にした。
護法先輩は、今回の事件は「オゥメン教団」とは無関係だと言っていたが、わたしは少し気になっていたから。
ネットの情報には、もちろん有用なものもあるが、結構、いい加減なものも多い。
情報を取捨選択して、正確に判断する事が大事だ。
鈍太郎は、ネットの情報を頭から信じ込んでるけど。
そんなこんなで、わたしは自室に籠り「オゥメン教団」について、ネット検索をしていたのだがー。
びっくりしてしまった。
やばい。
ヤバすぎる。
こいつら本物の悪魔だ。
ネットの情報だから鵜呑みには出来ないが、フリーメイソンなんか目じゃない。
彼ら「オゥメン教団」は何世紀にもわたって歴史の闇で暗躍し、何十万人も死んだ戦争や、大虐殺を引き起こしたと言われていた。
反キリストである「闇の救世主」を教祖として仰ぐ彼らは、この世をサタンの君臨する地獄に変える事が、その究極の目標なのだという。
彼らは魔術や妖術のエキスパートであり、その開発のためには、忌まわしい人体実験すら行っていたらしい。
んっ?
なんだ、13死徒って。
わたしはネット検索するうちに、段々と怖くなってしまった。
身体から冷や汗が吹き出してくる。
ふと、わたしの頭に一つの疑問が浮かんだ。
護法先輩は「オゥメン教団」は今回の幽霊騒ぎとは無関係だと言っていたが、もしかしたら亡くなったよしこちゃんの周りに、教団の魔術師がいたという可能性は無いだろうか?
そして、彼女の事故を利用して、何かの目的の為に、この一連の「赤い車の少女」の事件を起こしている可能性は?
そう、彼女にとって、ごく近しい人物がー。
[続く]