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魔王様リバイブ! ~美少女魔王と始めるエンタメ迷宮運営ライフ~  作者: お芋ぷりん
第4章 復讐するは追放者にあり!

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第5話 真意の行方は

視点変更。ハルト達ー!

 




「――ブッハハハハ!」


 その頃、共有スペースには下品な笑い声が響き渡っていた。


「俺にあれだけ啖呵を切っておきながらこれって……! ブフゥッ、超ウケる~!」


 元仲間の醜態をモニターで観賞していたハルトがソファの上で盛大に笑い転ける。それもお菓子を頬張りながらだ。


 気分はまるで大道芸の観客である。


「流石はハルトの元仲間ね。頑固汚れのように主張する個性……見ていて飽きないわ」


 その傍らで、いつもの事ながら魔王クロエがボーマン達を賛美する。


 が――その両手にはもちろん、クッキーと紅茶のカップがある訳で。


「おい、クロエ。その言い方だと、俺も特殊な奴だと言ってるように聞こえるんだが?」

「それ以外にある?」


 クッキーを頬張り、クロエが紅茶を啜る。


「いいや。けど勘違いするな! 俺が特殊なのは迷宮への愛あってこそだ。特殊性癖持ちのあいつらと一緒にしてもらっちゃ困る!」

「そ、そこは認めていくスタイルなのね……」


 煽るつもりが開き直られてしまい、クロエもそれ以上ネタにできなくなってしまう。


「……しっかし、どんなクソ野郎が来るかと思えば。ハルト似の変人だった訳だ」

「んだとぉ!?」

「この調子なら、今のハルトでも充分に対処出来る筈だぜ」

「フン、そうでなくては困る。クロエ様の復活させるには、ハルトもより強くなってもらわねばな」

「えぇ……」


 ネモとガリウスも椅子に座ってモニターの映像を眺めている。ハルトの元仲間が気になるらしく、クロエの了承を得て観賞中という訳だ。


「それにしても、どうしてこうも罠に引っ掛かるのかしら? 勇み足という訳でもなさそうだけど……」


 クロエがボーマン達の失敗を不審に思い、彼等をよく知るハルトを見やる。


「多分、半分わざとだろうな」

「わざと?」

「そんで、半分本気。大方、罠を発見しても対処してやる、とか思ってるんだろうさ。本当に、何も変わってない……」


 笑みを消して、ハルトは懐古と呆れの入り混じった言葉を吐き捨てる。


「多少なりとも罠を見破る目を養ったらしいけど……それじゃあまだ、俺には及ばない」


 呆れ成分がやや多めではあるが、それは〝まるで成長していない〟ということを意味していた。


「……いよいよ宝物庫前に到達するぞ。そろそろ出撃した方がいい」

「ああ、変身しとく」


 ガリウスの忠告でハルトが〝ハルベルト〟になろうとした直後だった。


『――くっ、情けない。これでは奴の言う通りじゃないか。やはり、アイツなしではっ……』


 偶然、カメラのマイクが音声を拾ったのだろう。


 モニターに映るボーマンが苦渋の面持ちでそのような事をぼやいていた。


『でも、そろそろ最深部の筈』


 次いで聞こえてくるレシアの声。


『ハルト抜きで、この迷宮を攻略して魔族を倒せば、辛い思いをしただけの価値があるっ……そうすれば、ハルトとまた、あの時間を……っ』

「…………」


 その場にハルトが居ないからこそ漏れた、二人の言葉(本音)。それは本来、彼等と直接会って聞くべき内容だったのだろう。


 たとえ二人が核心的なことを言っていなくとも。


 防衛に向かうハルトの足を縫い留めるには充分すぎた。


「ハルト、行きなさい」


 ――だがそれでも。


 その背中に向かって、クロエは毅然と命令を下す。


「思うところはあるでしょう。けれど今は、彼等を歓迎するのが最優先よ」


 ハルトは暫し黙り込んだ。そうして鋭く息を吐き切り、唇を引き結んだ。


「……行ってくる」

「今日も頼んだわよ」


 平然と皆に告げてから、ハルトが防衛に向かう。


 その言葉と背中には、ただならぬ覚悟が宿っていた。


「クロエ、今のって……」


 ハルトがいなくなったのを見計らい、ネモが驚きを隠せない様子でクロエに意見を求める。


 クロエは苦々しい顔で眉間を押さえた。


 答えずとも分かる。ネモと同意見ということが。


「……中々、難儀なすれ違いをしたようね。もっとも、それにハルトが気付いたところで、今更何が変わる訳でもないけれど――」


 それは、ハルトを信じているのか。あるいは、既に引き返せない段階にある事を示唆しているのか。


「真実は、直接聴く方がずっと良いわ。本当にね」


 悲哀に満ちた表情で呟いたクロエは紅茶を一口含み、


「……冷めてしまったわね。ネモ、新しい紅茶を」


 温かい紅茶を、新たに所望するのだった。





次回も翌日の同時刻でー!

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