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魔王様リバイブ! ~美少女魔王と始めるエンタメ迷宮運営ライフ~  作者: お芋ぷりん
第2章 魔王が誇る最強の忠臣

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第11話 意外!? これは暴露大会!

日付を跨ぎ、挙句一時間もオーバーしてしまうとは……っ!!

本当に申し訳ございません! しかし、内容はかなりクスッと来るものになっていますので、お楽しみに!

 





 食堂の長机に並べられた豪勢な料理の数々。それらを囲むようにして、主役のハルトとガリウス、ネモと〈カツアゲ隊〉のコボルド、作業員達がグラスを持って立ち、上座で浮かぶ魔王を見つめている。


「皆、今日はハルトとガリウスの歓迎会に集まってくれて、本当にありがとう」


 飲食ができず、何も持っていないクロエが全員を視界に収めながら微笑む。


「このエンタメ迷宮を始められたのは、ネモと作業員達の頑張りがあってこそ。けれど、人間のハルトの加入なくしては、冒険者が楽しめる迷宮は作れなかったわ」


 そのままネモや作業員達、ハルトと順々に目を向けていく。


 ネモとハルトは照れ臭そうに頭を掻き、作業員達に至っては余りの畏れ多さに恐縮している。


「そして今日――私の頼もしい配下(ガリウス)が加わってくれた」


 最後に、クロエはガリウスへ優しい視線を向けると、胸に手を当てたガリウスは無言のまま小さくお辞儀を返した。


「エンタメ迷宮に知恵と力が揃った今、私の復活もますます現実味を帯びてきたわ。これからも全員一丸となって、冒険者を楽しませましょう! それじゃ、ガリウスとハルトの加入を(しゅく)して――――乾杯!」

「「乾杯!!」」


 クロエの音頭と共に、ハルト達は一斉にグラスを掲げた。


「んくんくんく――プハァァ!! ナニコレうっま!?」


 グラスの酒を一気飲みしたハルトは、そのあまりの美味さに舌を巻いた。


 初防衛の時や〈ばぶりっ酒〉で飲んだ時の物より、上物(じょうもの)であるとすぐに気付くほどだ。


「ふっふっふ……この歓迎会の為に、わざわざ魔界から取り寄せた数百年前のビンテージ(しゅ)だぜ? 美味くて当然だろっ!」


 えらく上機嫌に語ったネモに、「そんな高級品を持ってくるとは……!?」と作業員達が非常に驚いている。


「ネモよ。わざわざ我の為に用意してくれたこと、心より礼を言う」


 既にグラスを空けたガリウスが、年少者であるネモに頭を下げる。


「ぐびぐびっ……いやぁ! 大したことないですよ! ささっ、沢山あるんで好きなだけ飲んでくれ下さい!」

「ふむ。では、その言葉に甘えさせて貰おう」


 酒を飲みつつ謙遜したネモは重厚感のある瓶を手に取ると、手慣れた様子でガリウスのグラスにビンテージ酒を注いでいく。


 ガリウスは、グラスに注がれた琥珀色の液体を眺めては、小さく溜息を吐いた。


「しかし、この味を魔王様と楽しめないというのは……(いささ)か残念だ」

「気にしないで。あなたや皆の喜ぶ顔が、私にとっては何よりのご馳走なんだから」

「魔王様……」


 ガリウスの傍に寄ってきたクロエが、食事や酒を楽しむ面々を見て穏やかな顔をする。


「まぁ……本音を言うと、久しぶりに酔いたい気分なんだけれどねっ」

「「うぐふっ!!?」」


 だがやはり、美酒を味わいたい欲を隠せないようで、クロエは舌をペロリと出すと小悪魔のように微笑む。


 そんな天使とも悪魔とも取れる可愛らしい魔王の笑顔に、ハルトを含めた作業員達が苦しげに胸を押さえたのは言うまでない。


 少しばかり、否――感無量といった様子ではあったが。


「そ、そういえば、ネモとガリウス……さんは、やっぱ前から知り合いなんだよな?」


 幸せな苦しみを乗り越え、ハルトがネモとガリウスに話題を振った。


「ガリウスで()い。ネモとは、魔王様がリバイブ契約を結んだ時からの知り合いだ」

「そゆこと。でも、あの時のガリウス様は怖かったなぁ~」

「何があったんだ?」


 ガリウスの説明で当時の記憶が蘇ったのか、ネモが僅かに肩を震わせる。


「当時のガリウス様ってば、クロエの後ろで控えててさぁ? 契約の概要を説明してる時に、私のことを火竜(かりゅう)のような鋭い目で睨んできたんだぜ~! それがもう怖くて怖くて」

「まことに、そのような顔をしていたか? ふむ……まるで身に覚えがない」


 アルコール度数の高いビンテージ酒で既に酔ってしまったのか、ネモが当時の本音を赤裸々に暴露していく。されど、当のガリウスはネモを睨んでいた自覚など更々なかったらしい。


「あの時の我は確か、魔王様が悪徳な契約を結ばされないようにと、必死に警戒していただけだが……」

「えぇっ!? そうらったの!? 怖がって……すみまへんっ!」


 数百年越しに明かされた真実に、ネモはとんでもない勘違いをしていたことに驚き、ガリウスに深々と頭を下げた。


 すると、クロエが当時を思い出したように、ふと笑みを零す。


「私を見守ってくれてたガリウスも可愛いけれど、ガリウスに怯えて子ウサギのように震えるネモも、見てて微笑ましかったわよ?」

「ク、クロエぇえええっ……! さては知ってて黙っへぇたなぁ?!」

「ふふっ、さぁてどうかしら?」


 再び明かされた親友の隠し事に、ネモは酔いで赤くなった顔を、更に真っ赤に染めて怒った。


 だが、その怒りの形相もクロエにとっては可愛いらしく映るだけのようで、親友を弄ぶようにクスリと笑っていた。


「はははっ、みんな仲良いなぁ~」


 魔族三人の絡みを(さかな)に、ハルトは新たにグラスに注いだ酒を呷る。


(それにしても……なんで、ガリウスはすぐにクロエを助けに来なかったんだ……? 忠義に厚そうだし、ネモに呼ばれずとも()そうなもんだけどなぁ)


 ガリウスの説明で新たに疑問が生まれてしまったが、ハルトは理由を訊こうとは思わなかった。


 雰囲気を壊したくない気持ちは無論ある。だが、最たる理由は〝ガリウスとの信頼関係を構築できていないこと〟であった。


「しかし、ネモよ。以前会った時と、随分雰囲気が変わってしまったな」

「へ? あらしですか?」


 へべれけ状態のネモが、ガリウスの指摘にコテンと首を傾げる。


「うむ。以前はもっと地味だったろう? 普段から猫背気味で、髪はまとめずストレート、服の露出も全くと言っていい程なかった筈だ」

「ガガッーーガリウス様!?」


 その詳細な説明に、ネモの酔いは一気に吹き飛んだ。


 酷く取り乱している。普段のキリッとした表情が嘘の如く柔くなり、掛けた丸眼鏡も顔からずり落ちそうになっている。


「そそそ、それはっ……乙女の秘密って奴だぜですよ!」

「その口調もそうだ。今ほど男勝りではなかった筈だが……」

「が、ガリウス様ぁ!? あたしにも面子(メンツ)ってものがあるんですよぉ~!! もう止めてぇえええええ~!!」


 流石に許容できるラインを越えたようで、口調の崩れたネモが涙目で尊敬するガリウスの胸板をポコポコと叩き始める。


 〈ボロモウケ商会〉の作業員達がこの状況を見ている時点で、守るべき面子は既に丸潰れということを、ネモは理解していない。


「――魔王様! 実際のところはどうなんでしょう!」


 ネモの意外な過去に興味深々なハルトは、すかさず迷宮の最高権力者に伺いを立てた。


「そうねぇ…………ネモの為にも黙秘――」


 チラリ、とクロエが親友のネモを見やり、


「――と言いたいところだけれど、余興がないのも寂しいと思っていたところだし、ね……?」

「ク、クロエ……?」


 魔王の威厳たっぷり、悪戯っぽく微笑んだ。


「ま、まさか……言ったりしないよな? なっ?」

「ネモ様っ」

「お、お前ら!?」


 急に不安になったネモがクロエに念押しするべく近付こうとすると、行く手を作業員達に阻まれてしまった。


「お前らまで、あたしの秘密を暴こうってのか……?」

「いえ、我々は味方です」

「お……お前らって奴は……っ!」


 一人の女魔族がネモの擁護に回ると、ネモは不覚にも目が潤んでしまった。


(フッ、あたしは良い部下に恵まれたな……よし! ここから反撃に転じるぜ!!)


 感動でひとしきり打ち震えた後、ネモは決意に満ちた表情でクロエを見た。


「お前らよく聞けぇ! クロエは実は――!!!」

「――ただし、真実を探求するハルト様の、ですが」

「は? えっ?」


 女魔族は指を鳴らし、他の作業員達の手でネモを拘束した。


「邪魔者は消しました……ハルト様」

「よくやった。後で褒美を取らせる(クロエが)」

「お前ら裏切ったなぁあああああああああ!!!?」


 一瞬で作業員達を使役したハルトは、ネモの絶叫を聴きながらほくそ笑んだ。


「さぁ、魔王様! 我等に、ネモの嬉し恥ずかしエピソードを明かしたまえー!」

「や、ヤメロォオオオオオーーッ!!? やめてぇぇええええっ!!」


 号泣しながらもがくネモの前で、クロエはハルト達に真実を――!


「ごっ!?」


 ――明かそうとした瞬間、ハルトはその場で崩れ落ちた。


「…………あれ?」

「全く……いつから暴露大会になったのやら」

「が、ガリウス様ぁ!?」


 なんと、ネモの窮地を救ったのはガリウスであった。


「オマエ達もだ。火種を作った我が言えた義理ではないが、その辺で勘弁してやれ」

「は、はひ!」


 旗印のハルトが倒れ、ガリウスに命令されたことで、作業員達はすぐさまネモの拘束を解いた。


「魔王様も……いくら相手が親友とはいえ、揶揄い過ぎです」

「ご、ごめんなさい」


 そして珍しいことに、魔王であるクロエでさえも、ガリウスに叱られ、子供のように萎縮し反省していた。


「皆、反省したな?」

((コクコクコク!))

「うむ。では引き続き、宴を楽しめ。我は一足先に眠るとしよう」


 そう言い残すと、ガリウスは食堂を後にした。


 去り際、ガリウスの口角が上がっていたのは、何もクロエの見間違いではないだろう。


「忘れていたわ。ガリウスは怒ると怖いって……」


 クロエのその言葉に、ハルト以外の全員が力強く頷いたのだった。





ネモの過去の秘密はここでは明かしませんでしたが、いずれ明かすのかもしれませんねぇ。

というか、しっかりと私の拙作を読んでいる読者の皆様なら、何故ネモが今の姿になったのかお分かりですよね?(笑)



日付を跨ぎましたが、通常通り一日挟んでから(10/5)に次話を投稿します。

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