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蓄電池が落ちてました

前回書き忘れたんですがウォルプタさんの種族の寿命はだいたい200年です。

つまりウォルプタさんは実質30歳です

次の日。

渗手が仮宿から出ると、家の前をヴァンが通り過ぎようとしていた。


「おはようございます」

「お!おはよう。さて、君達は騎士団所属になったわけだが」

「やっぱり指名手配犯を探しに行くんですか」

「まだ見つかってないからまずは手掛かり探しになるね。ちなみに名前はカミレと言うらしい。」

「どんな奴なんですか?」

「昨日君達を襲撃した四脚がいただろう?あれの製造者だな。それ以外は特にわかっていないんだが、ご丁寧に名前が機体に彫ってあるからその機械を追えば辿り着けると考えられてるんだが、まだデータが足りなくてな。キャタニテの北の方に行くにつれて目撃頻度が上がるので方向はそっちだろうとは思うんだが」

「ほぼ虱潰しですね」

「うむ。とりあえず足で探しつつ戦力を増やそうって感じだな」

「解析とかできないんですか?」

「仲間の技術者がやってたんだが、どうも()()()()()()()()()でよくわからないらしい」

「ぐちゃくちゃで動くんですか?」

「実際動くからなぁ……なんかあるんだろうとは思うが……」


立ち話をしていると、仮宿から深い赤色の外套の女性が出てくる。


「ふわぁ……。何の話してるの?」

「ははは、くれなしの魔女なのに朝に弱いんだな。それでは行くとしようか」

「どこにぃ?」

「修理屋だよ」

「「もう昼!?」」

「君達なんで二人とも昼起きなんだね」


ヴァンは朝から行くつもりだったがいくら待っても家から出てこないので諦めて昼までその辺をうろついていたのだ。普通に困っていたぞ。

それはそれとして一行は修理屋に向かう。


「ようフェルム、できてるか?」

「おう、できてるぞ。武器は剣で良かったか?」

「えっ、付いてないですよぉ?」

「あ?あぁ、もしかして手に触媒埋め込んでたのが飛んでっちまったのか?すまんすまん、今付けるわ」

「いや、そういうのも無いです……」

「は?非武装なのか?そんなわけ無くないか?」

「フェルム、彼女はそういうタイプなんだ。気にしないでくれ」

「えぇ?……ああ、トライは移動に使ってて戦闘時は邪魔だから降りるってタイプか。いるよなー、移動用の魔術使えない奴。鎧の代わりに使ってる奴もいるんだから常に乗ってりゃいいのに」

「そもそもトライ越しに魔術を出力するより生身で使った方が強いというのが一般論だ。苦手な分野の技術による補強に使うのは何もおかしくないぞ。ウィッシェンシャフトなんて格闘の苦手な魔術師を集めた重装魔術機兵団があるくらいだからな」

「ほえぇ〜そうなんだぁ〜」

「ちげぇのか!?まぁもう何でもいいや、それよりコイツいいコンデンサー積んでるなぁ!多分この前言ってた魔力の無いやつが動かしたっての、コンデンサーに魔力が余ってたからだぜ?」

「なんだそんな理由か、確かにそういうこともあるかもな。じゃあコイツ貰ってくぞ?」

「おう、大事にしてやれよー!」


ウォルプタがおずおずとトライアーマーに乗り込み、一行は修理屋を出発した。

そして先頭を歩くヴァンは、スマホをいじりながらある方向へ向かう。

鎧を着た騎士がスマホをいじる姿はかなり奇妙だ。


「あっ!?俺のスマホ!!どうやったら使えるんでしたっけ!?」

「あれだよ、SIMが合ってないって」

「あ、そうか。お前あっちから来たからモトカのスマホ持ってるのか。じゃあそれも用事のうちだな」

「用事?」

「うむ、貨物列車に同乗させてもらって王都に向かうぞ。君達丸腰だからな。ウォルプタさんはともかくとして渗手君は武器の一つも買いに行こうって事さ。というわけでここがホームだな」

「わぁいつの間に」

「さっきスマホで手続きは済ませたからな。じゃあ乗ろうか」


トライアーマーを7両目の大きな貨物ブロックに寝かせ、三人は前方から二番目、小さい荷物が乗っている区画に乗り込む。


「客車無いんですね」

「貨物列車だからな。トライアーマー乗せてもらったのも騎士団の特権だぞ?これである程度楽に王都に向かえる」

「王都ってどんなところなんですか?」

「あ、知ってるぞ!王都ウィッシェンシャフト、都一つで国として成立する、クーニッシュ王家の専制君主都市!科学と魔術の混じる城塞都市、全ての集う場所とすら──」

「こんな片田舎にウィッシェンは無いぞウォルプタさん。ここにあるのは王都クリセティダ、コンダクトル王が統治する都市だ。電車の沿線にあるだけあってこの辺だとかなり発展してる方でな、そこなら」


ヴァンの喋っている最中に爆発音がし、列車が大きく揺れる。ヴァンと渗手は何とか耐えたが話を遮られてしょんぼりしていたウォルプタは盛大に頭をぶつけた。

ブレーキ音が耳をつんざき、止まった慣性でウォルプタが前方へ吹き飛ぶ。


「んぎゃああああああああ!?」

「ウォルプタさぁん!?」

「何だ、何が起こった!?」


ヴァンは重いはずの扉を開け、慌てて車両の外を確認する。土埃の向こうには何本もの光の線が閃き、その向こうから昨日見た四脚が貨物車両の側面まで迫ってきた。が、その目には光はなく、見れば胴体が大きく抉れている。


「隊長ー!列車が巻き込まれてまーす!」

「何だと!?死守しろと言ったはずだろう!?」

「隊長が吹っ飛ばした奴が…あっ、左からも来てます!!」


若い男に呼びかけられた隊長の声は、不思議なことに幼い少女の声だった。


「隊長!結構多いっすよ!!うおおおおお!?」

「サーカリス!?生きてるか!アルテロン、こっちに誘導しろ!アレンマリン、救援!」

「「了解!」」


砂煙の向こうから聞こえる声は、少し劣勢に聞こえる。ヴァンは車内に呼び掛けた。


「どうも不味いみたいだ!私は助けに行くが君たちはここにいろ!」

「ふぁ、ふぁい……いてて……」


車両から飛び出していくヴァンを、二人は貨物車の扉から見送った。


「大丈夫ですかね……」

「あの人がダメだったら私たち終わりだよぉ……」


サーカリスと呼ばれた若い男と二脚の機械の間に、ヴァンが滑り込む。


「私はヴァン!助けに来たぞ!」

「誰だ!?だが助かった!!新型のようだがコイツは知ってるか!?」

「知らんな!!だが二脚ならゴーレムと一緒だろう!!」


騎士が二脚の足首に向かって素早く切り込む。それより早く振り下ろされた斧を、滑るように回り込んで避ける。

回った勢いのまま円を描いた刃が、遠心力に従って関節を切り分ける。


「やるな騎士殿!!だが手柄は頂きだぞう!!」


片手にメイス、左手に杖を持った灰色の髪の男が膝をついた二脚の頭に槌を振り下ろす。

くしゃり、と金属が紙のように潰れる音の直後、列車の方向からも金属音が響く。


「っ、まだいたのか!?」


ウォルプタと渗手の背後、貨物コンテナの半分を爪で引き裂き、以前から知っているような四脚が顔を覗かせる。


「やっばぁ」

「逃げますよウォルプタさん!」


手を取って渗手は走り出す。先程ヴァンが飛び出した扉から。


「(とりあえず一番近いのは…!?)」


渗手の右側、目に飛び込んできたのは見覚えのないトライアーマー。

吹き飛ばされたのか、横倒しになっている。さらに都合のいいことに、ハッチは開いていた。


「隠れててくださいよ!」


コックピットに飛び込んだ。



いや更新忘れてたとかじゃなくてな、普通に忙しくてな、あと戦闘とか書けなくてな?すまんのう……

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