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歯車街

「......え?なんですかこれ」

「こんにちは...でいいのかなぁ?」

「.......」


役所とされる建物に入ると、正面に受付であろうカウンターがある。

粗末なとはいえ待機用の椅子もあり、観葉植物もある。機能としては遜色ない役場の受付嬢は、歯車で出来ていた。


「動いてませんよねあれ。ヴァンさんは知ってたんでしょうか」

「スイッチとかないのかなぁ、背中とかに」


ウォルプタが機械の受付に近付くと、にわかに周囲が騒がしくなった。

受付が来客を感知した瞬間から、この役場は開場する。

まだ息のある蓄電池が励起し、照明が一斉に輝く。

木のフレームが振動でがたがたと揺れ、カウンターが展開して中から液晶がポップアップした。

ついでに奥で寝ていたらしい人間の係員もポップアップした(起き上がった)


「わぁっ!?なんか出てきた!?」

「んあ?また新顔かぁ?」


《メニューからご希望の項目にタッチしてください 1/3》

「チベットの秘境みたいな村なのにハイテクですね」


液晶程度にやたら驚くウォルプタをよそに、渗手はそそくさと手続きを進めていく。

液晶にはいくつかの選択肢が用意されており、その中には資格についての選択肢もある。

画面の案内に従って氏名などいくつかの項目を選択すると、からくりの胴体が開き中からペンダントが差し出された。鉄色の角丸長方形の表には方位磁針の模様が、裏には入力した氏名が刻まれている。


「こんなところに来客なんて珍しいな、それにここで冒険者になるって。さてはあんた、訳ありだな?」


結構太っていて髪はバーコード、服装は白い半袖のシャツにジーンズにサスペンダーの付いたちょっと奇妙な服。

笑顔だが何というか小悪党感漂う顔の男が、少しかがんで顔を覗き込むように話しかける。


異世界(モトカ)からそこの山に来たんですよ。冒険者っていうのはまぁいろいろあったんです」

「おう、そういうことにしといてやるぜ。そっちの嬢ちゃんは......ん?その顔どっかで見たような」

「ちょっと待ってください、なんで俺が裏があるみたいな扱いなんですか」

「そりゃここに住んでるのなんて大体はぐれものだからな、それよりそっちの」

「ちょっとその話詳しく聞かせてくださいよ」

「いやだから」


推定小悪党と渗手が会話のイニシアチブを取り合っていると、ヴァンがしれっと役場に入ってきた。


「おっ、クロクタじゃないか。何話してるんだ?」

「じゃないかじゃないよ、ここは俺の家なんだから当然いるわ。それよりだな」

「ヴァンさん、なんか俺が訳ありみたいな扱いなんですがここどういう場所なんですか?」


渗手が食い気味にヴァンに詰問する。ヴァンはちょっと引いている。一方ウォルプタは気付かれないよう役所からの離脱を試みていた。


「お、おうなんで詰めてくるんだ?まぁ確かにここの成り立ちが半分スラムみたいなのは言ってなかったが、ここの人たちはみんないい人だぞ?」

「半分スラムって何ですか」

「話すと長くなるんだが...あれだ、ここは元々結構秘境の部族たちが住んでてな、いろいろあって半ば放棄されてたんだが、まぁ、あれだ。治外法権ってだけでそんなやばい場所じゃないんだよ」

「放棄された?ここ成立から結構時間経ってるん...です.....」

「ん?急に俯いてどうしたんだ渗手君」


渗手は一つ疑問に思ったことがあった。こんな片田舎に小悪党がいること。アヌーラの提供した家は、おそらく以前からあるしっかりしたものなこと。

「(()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()())」

ウォルプタの住処はこの(クテノミス)からある程度離れているとはいえ、普通に行き来できる距離だ。にも関わらず、ウォルプタは村の成立から今まで(十年以上は)人里に関わっていないというような反応だ。

それだけなら禁足地扱いだったのだろうとか、人払いの結界なりがあったんだろうで納得できるが、ならなぜ3年前に発売されたスマホの機種を知っているのか。人に関わっていないはずなのに、最近のことを知っているわけだ。


「時系列がおかしい......あのウォルプタさん、僕のスマホの前に見たって言う機種、どのくらい前に知ったんですか?」

「へっ!?あっえっとぉ......20年...とか...?」

「それはもう初代も無い頃ですよ!?!?」

「うわびっくりした、本当にどうしたんだ渗手君」


これはもう間違いない。時空が捻じれている。恐らく渗手の先輩くらいの世代の人が20年前のシュートに飛ばされたりしているのだ。つまり。


「(()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()───!!)」


ここで過ごした時間は元の世界と隔絶されている。今まではもし帰れたとして浦島太郎みたいになっている可能性もあったが、まだ希望はある。

にわかに渗手の顔に笑みが零れる。


「(俺、推しのライブに間に合うかもしれない!!!!!)」

「なんでそんな笑顔なんだい渗手君」

「なぁヴァンこいつやっぱ訳アリなのか?」

「忙しいね君......」

「よっしゃ!!俺冒険者頑張りますよ!!!何年かかっても元の世界に帰りますから!!!!!」

「えっ......いや、まぁ、意欲があって結構だな渗手君」

「行きますよウォルプタさん!!修理屋行って機体治しましょう!!!」

「へっ?あぁうん、そうだね?」


渗手はウォルプタの袖を引っ張って修理屋へ向かおうとする。


「渗手君、修理屋はそっちじゃないぞ!?」


ヴァンはそれに慌てて付いていく。

そう、ここまでのやり取りの間トライアーマーはその辺に野ざらしだったのである。

いい加減修理してほしいとトライアーマーも思っていることだろう。


──────────

「行っちまった......」


一人役場に残ったクロクタは風のように去っていった後姿を寂しく眺めていた。


「あのお嬢さん、どうも"くれなしの魔女"みたいな顔に見えたんだが......気の所為かな......どう思う?ゼンゼンちゃん」

「......」


寂しさを紛らわすため歯車の受付に話しかけてみるが、当然反応は無い。


「......もう一眠りするか...」


クロクタは裏口の方のベッドにすごすごと戻っていった。

描写と設定のガバが重なって大変なことになっております!!やべぇ!!

そもそもこの村にこんな話数割く予定なかったのになぁ!!!

っていうかまだ主人公用のバッテリー機出てないやん!!!設定固めてないけど!!!

毎日更新した方が伸びるって聞いたからやってるけど無理あったかもな~~~!!!

そもそもアヌーラとかクロクタなんてキャラプロットには居なかったのにな~~~!!!

未来の俺~~~設定良い感じに丸くしといてくれ~~~!!!

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