公民館未満のしょっぱい場所
「着いたーネ!」
まぁまぁな時間車に揺られて着いた、閑静な住宅街。
塀で囲われたちょっと大きめの箱が前方にある。
「......着いたんですか?」
「これがヴァンの家か~」
無関係な一般民家にウォルプタが入ろうとする。
のをヴァンが止める。
「いや前のあれだよ、なんか家っぽくないのがあるだろう」
「厳重な豆腐...?」
「黒ずんでるし美味しくなさそうだねぇ」
「黒っ...まぁ雨だれとかはあるがね、我が騎士団の分署だよ」
「相変わらず。しょぼい」
あまりにもしょぼい。
これは誹りを免れないやっすい物件である。
しかも、本体がしょぼいくせに一丁前に塀に囲われ門が付いている、というのが虚栄心めいたものを放ちなお安普請に見せている。
錆ついた資産価値が下がっていそうな門を開き、わざわざ付けられたカードリーダーをヴァンが開錠する。
こんな厳重にする意味があるのだろうか?と思う渗手とウォルプタをよそに、意外にも自動ドアだったものが開く。
その奥には、大きな鏡と手すり以外何もない。
ヴァンが何も言わないのが不安だが一応着いて行くと、扉が閉まり部屋が軽く揺れた。
「ひえっ!?なになに!?」
「エレベーター、ですか?」
「うむ、そうだぞ」
ちーん。
なんとも親しみのある音の後、前方に広がった景色は─────
工房だった。




