おなかいっぱい、ごはんのまえがり
超広範囲に塗り広げられた魔力。適応範囲は村長の認識する友好存在全て。
<<バッテリー接続を確認、システム再起動します>>
「再起動!?外で何が起こってるんだ!?」
「イテテ...あ、いつものヤツかこれ」
効果は魔力の供給。複雑な効能ではなく、ただ広範囲の味方への強化魔術。
固有魔術でなくともこういったものはあるが、術者の技量が低くとも大規模・強力な効果を発揮するのも特徴である。
「(明らかに術者の保有する魔力量を超過した魔力供給...無から魔力が作れる魔術とでもいうのかな!?)」
「再起動したんならまた止まる前に止めを!」
<<高速で接近する物体を感知しました>>
「イアイドォォォーーーッ!!」
「へ!?」
右手側から高速で飛び出してきた者。
元気100倍ツイン居合道がコウモリと渗手の中間に飛来する。
両腰から放たれた切り上げはコウモリの胴と首を両断し、コウモリの身体が一瞬遅れて霧散した。
「さっき死にかけてたのにもう回復したんですか」
「おう!げんきイッパイだぜ!」
「......すごいね、オオカミ」
<<そういった種族なのでしょうか>>
なにはともあれ、危機は去った。
比較的賢い獣人の避難誘導により、死傷者も出なかった。
住居は多少余波で損壊したものの、元が簡素な造りのため即座に修復ができた。
「完勝、ですね」
「すごいねぇ渗手くん、トライアーマーってあんなに動けるんだ」
<<私の操作です>>
「AIなのに結構自己主張してくるんですね」
「神様、すっごくつよいですね!オオカミさんと同じくらい!」
「オレのほうがつよかったぞ!」
「オオカミさんもてつだってくれましたし、いっしょにごはんを食べましょう!」
「おまつりだ!」「おいしいよ!」「みんなでいっしょにおまつりだ!」
「晩御飯もう食べましたよね?」
「まぁまぁ、せっかくだしご相伴に預かろうじゃないか!」
「っていうか口調変わりました?」
「え゛っ、いや、そんなこと、ないよぅ?」
晩餐会。オオカミと一緒の、いつも通りのような、馴染み深い祭り。
不思議と夜食はするりと入る、前と同じの緑色。誰でもおいしい、ご飯たち。
きっとこういうものだろう。この世界はこういうもの、ここから外は存在しない。
お伽噺の中のような、いつも通りの安心を。
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食事が終わり、オオカミは森へ帰る。退場した先に何があるのか、考えるだけ無駄かもしれない。
その日の深夜、貨物列車の中。
「この世界、どうやって帰るんでしょうか」
「どうかなぁ。そのうちまた落ちて帰れるんじゃないかって気もするけど」
「そんな頻繁に違う世界に行くんでしょうか。それなら都合がいいとは思います
が
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\
!
?
またもや落ちる、列車ごと。
しかも今度は上向きである。
「うおおおおああああああ!?!!?」
「ぎゃーーーーー!?」
「「「「「「「「「「わーーーーーーー!?」」」」」」」」」」
「「なんかいるーーーーーー!!?」




