表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/27

死んだかもしれん、いや生きてるのかこれ

俺は烏三渗手(からすみ しず )!今日から花の大学生か「プーーーッ」「アッッッ!!」

おっとそこにトラックのクラクションが!!!何を隠そう俺は遅刻の瀬戸際だ!!道に飛び出しちゃっても仕方ないよな!!!

死ぬわ俺

────────────


「......はっ」


目を開けるとそこには青い空が。全身にほどほどの硬さの草を感じる。ひんやりとした風にマイナスイオンが心地よい。じゃなくて。


「森やん!?」


ここ森やん。家の前から森まで飛ばされた?10kmは飛んだ計算になるぞ?

ぱきり。背後から枝の折れる音がする。見るとそこには一般的なイノシシが。


「ばふばふ」


ちなみにイノシシはおよそ150kgの体重と40km/hの突進速度を持つとされているぞ。ついでに牙もあるのでもちろん轢かれたら重症or死だ。


「怖く...ないよ?」


小声で驚かさないようにしつつゆっくりと立ち上がり後ずさる。本来イノシシは臆病であり刺激しなければイノシシは駆け出した。

どうも気性が荒いタイプだったらしい。もちろん轢かれた。


「え゛ぅ゛」


凄まじい痛み。立ち上がっている最中に突進を受けたため左肩のあたりがひどく痛む。が、そんなことよりパニックだ。もう刺激しないとか言ってる場合ではないので駆け出した。


「誰かーーーーーーっ!!!助けてーーー!!!くれーーーーーーー!!!!!」


動かなくなった左腕を振り乱し走る。見渡す限り森、ぬかるんだ地面に足を取られたりしつつも必死で走る。人っ子一人いない。文明の跡がない。背後からイノシシの声がしたその時、背中が赤く輝いた。


「うおあっつ!?」「ぶぎ!?」


燃えた。すぐ鎮火したが今間違いなく背中が燃えた。イノシシもそれに驚いたか、濁った声を上げて森の向こうに走り去っていく。


「えぇ...?助かっ...た?」

「やぁ」


頭上から女性の声がする。茶色い編み笠の下で、オレンジの髪と深い赤の外套が空の上ではためいた。

きっとこの人が火をつけた。


「ありがとうございます?」

「よかったねぇ、生きられて」


整った顔のヒトが、きらきらとした笑顔で言う。


「それじゃ」


外套を翻して、そのヒトは立ち去ろうとした。

とっさに僕は叫んだ。


「あの!!腕折れたんで!!治してもらえませんか!!」


我ながらちょっと意味が分からない、それでもこの人に付いていきたかった。最初に出会ったからだろうか。

振り返ったそのヒトは、やっぱり微笑むような顔で応えた。


「いいよぉ」


空からヒトが降りてきた。階段を下るように、空中を歩いていた。わざとらしいくらい腕を大きく振って、足を大きく上げてながら降りてきた。

俺と同じ目線まで降りてきて、俺の右手を取って歩き出す。


「じゃ、行こっか」

「はい!」


森を二人で歩き出す。

魔法使いっぽいのに徒歩なの?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ