いつか凪いだ日に
いつか凪いだ日にまた会おう
きつく絡まった結び目を
テープカットのように
ふたり切り離した
あの日のさびしさにも
たどり着く場所があるのなら
いまはすれ違うだけの日々も
瞼を閉じておやすみ
嵐の最中に見出だせなかった光を
時は連れてくる
乾いた残骸を積み上げて
ふたり並べば
言いたかった山ほどの言葉も
静かな熱を帯びた沈黙となる
出会い、別れていくことの間に
移ろう心の模様を描く風の間に間に
打たれた標は
波にのまれながらもまだそこに立つ
確かに救われていたのだ
いつか凪いだ日にまた会おう
苦しいほどにひとりだった
分かち合えなかった
わかり合えなかった
そのひと欠片を携えて
それでも一緒にいることの意味を
意味などなかったと笑い飛ばして
すべての理由が君とわたしになる
いつか凪いだ日に
また会おう