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東公先生 議論を語る
ある時東公先生、侯に召されて都に赴く。
時同じくして将軍も召さる。
廊下にて二人遭う。
将軍、東公先生を睨みていわく。
市井の汚老我が前を行くを許さずと。
東公先生帰る。
侯また東公先生を召して問う。
先生何故帰られたるかと。
東公先生、将軍の言葉を陳じた後いわく。
もし東公、将軍と共に下問に答えなば侯我が言を容れたるも将軍承伏することなし。
論を互いに交わして上なるもの得るは互いに互いの論を尊ぶ故なり。
将軍東公を尊ぶことあらねば論を議するに値せず。故に東公日を改めるべきと考えたると。




