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東公先生 渡鳥を語る

ある時東公先生空を見上げし時に渡鳥の行くを見る。

東公先生いわく。

鳥すら旅をす況んや人をや。東公もしばし旅に出んと欲すと。


家人これを止めていわく。

先生もはや若からず。同行する若者探してのち旅立つべし。渡鳥も同行して旅すと。


東公先生いわく。

渡鳥の同行して行くは襲われたる時動きの遅き者を贄として逃げるためなり。東公若き者と共に行かば動きの遅き東公こそ贄となるらんと。


家人皆頷き大笑いして東公先生大いに怒る。

東公先生興をそがれたとて旅立たず。


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