表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/124

東公先生 右足を語る

東公先生ある時盗人の警吏に捕わるところに居合わせる。


盗人、警吏に向いていわく。

我代払わんとせるも右足駆け始める。それゆえ左足も胴も両腕も頭も引きずられて店を去たるのみ。

故に我を捕らえること許されず。右足のみをとらえよと。


東公先生これを聞きていわく。

この者の言うも道理なりと。


盗人己が言こそ道理なりと大喝し、警吏困る。

東公先生続けていわく。

東公、ここに至る前に薪を割るための斧を求めたり。間もなく店の主東公のもとに届けにくるが故に、その斧をもって右足を断ち連れて行くべしと。


警吏意を得たりとて笑う。

盗人震えていわく。

我の先に言いたるは嘘なり。右足を断つことなかれと。


東公先生いわく。

ならば右足を断つ理無し。

されど警吏に嘘を言い張りて困らせるは悪なり。

嘘言せし口は頭につく。故に、斧もって頭を断ちて頭のみ連れ行くべしと。


盗人大いに泣き命を乞う。


東公先生斧を求めたると言うは嘘なりき。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ