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東公先生 小銭を語る

東公先生物を買わんとして市場に行く。

男二人ありて対話するに出遭う。


ある男いわく。

我、今、酒を買わんとて小銭を数えたるに値に僅かに足らず。大銭にて払うべし。悲しと。


別の男これを慰めていわく。

汝小銭足らずとて悲しむ。されど大銭足る。大銭足らざればより悲し。ゆえに悲しむべからずと。


東公先生これを聞きていわく。

大銭足らざるを悲しむは己の貧なるを悲しむなり。

貧を悲しむ者は小愉を重ねて日々過ごす。

いま、この男の小銭足らざるを悲しむは、値の小銭まさに懐中にあらば小愉となればこそなり。

すなわち、大銭足らざるよりも良しというは、貧なる者に小愉を楽しむも要せずというに等しきなり。ゆえに慰めとならずと。


男二人これに怒りていわく。

汝、何故我らを貧と断ずるやと。


東公先生曰く。

貧ならざれば足らざる小銭を与うべし。汝らこれをせず。ゆえに貧なりと断ずと。



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