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東公先生 落葉を語る/東公先生 月を語る

~東公先生 落葉を語る~


東公先生いわく。

春の葉の新緑鮮やかにして目に心地良し。

夏の葉の緑濃くして風の吹き抜く肌に心地よしと。


ある人問いていわく。

秋の葉は何に心地よきかと。


東公先生答えていわく。

秋の落葉の上を逍遙すること耳に心地よし。

また落ち葉の間より美味なる茸栗などののぞくは口にも心地よし。

落ち葉を持ってこれを焼けば香り鼻によし。

落ち葉は幾重にも心地よきなりと。




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~東公先生 月を語る~


ある夜東公先生月明に誘われて庭に出でたる。

月中天を占めて輝く。

東公先生その美しきを留めんと欲して詩作始む。

されど直ちにこれをやめまた月を観る。


そのこと聞き及びし男、東公先生に問う。

東公先生何故詩作をやめたるか。

先生ならば名作を産みしにげにも惜しと。


東公先生これに答えていわく。

詩作せば東公が意詩作に向かう。

その夜の月瞬きすら頑是えぬほどに美しかりき。

されば詩作愚かしと思うがゆえにぞと。

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