表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/124

東公先生 壺を語る

ある人、市にて古き壺を買う。

その形細長くして首さらに細まる。ゆえに花をさすによしと。

その人、家に持ち帰りて用いんとせるに壺中より硬き物の当たるが如き音のするに気づきたり。

逆さにして異物出さんとすれど壺の首細くして出ず。

ある家中の者あるいは日を当てて中を覗くべしと言うも壺細きが故に底まで見えず。

またある者長き箸差し込んで取り出すべしと言うも硬きものに触れるとも取り出すことあたわず。


その人困りて東公先生の元に参じて良き考えを乞う。

東公先生壺を逆さにして振る。硬き物の音す。

その後逆さにした壺の下に敷きし紙をじっと見る。

而して壺に少しの水を入れていわく。

しばし待てと。


ふた時後、東公先生さらに水を足し壺を振る。音せず。

東公先生壺に棒を刺しよくかき混ぜ庭にて壺を逆さにす。

泥が如きもの出たり。


東公先生いわく。

是先主の花差しに用いたる時、花につきし土また枯葉壺に落ち溜まりてやがて塊となれる。やがて先主のもとを離れまさに水を失い硬きものとなりたるが如し。


その人問う。

東公先生何故それに気付くかと。


東公先生いわく。

東公汝と同じものを見る。

ただ東公は硬きものの壺に入りたる理を考う。

これにより気付くと。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ