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東公先生 雀を語る/東公先生 お休みを語る
東公先生 雀を語る
ある日、東公先生は道に落ちたる雀の子を見つけたり。
東公先生周囲を見るも、親の姿無し。
哀れに思いて家に連れ帰る。
それを見し家人いわく。
先生その雀を如何にすると。
東公先生いわく。
我育てると。
家人いわく。
育てて如何にすると。
東公先生いわく。
然様なことはこの雀無事に育ちて後に考えると。
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東公先生 お休みを語る
ある日、東公先生疲れを感じて家人にいわく。
東公しばし休まんと。
これを聞きて家人いわく。
東公先生何を休まんとするやと。
東公先生しばし考えて答えていわく。
確かに東公、体を休めし時も何かを考える。
体も動かさず、何も考えざるは難きことにて、あえてこれを為せば、かえって疲ると。