表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
118/124

東公先生 家出を語る

ある小さき児、東公先生の高名を聞きて東公先生の家を訪ね来たりて教えを請う。


児いわく。

我東公先生のもとにて学ばんと心を決め、故郷を出でたり。

何卒聞き入れられたしと。


東公先生児に問いていわく。

汝の家は何を家業とするかと。


児答えていわく。

農家なりと。


東公先生また問いていわく。

汝の父母、汝に家業を為せと言わざるかと。


児答えていわく。

言いたりと。されど我勉学に励むことこそ我が道と定め故郷を出でたりと。


東公先生さらに問いていわく。

何故父母の家業を為せと言うかを汝考えて明日東公に伝えよ。

それまで入門許さずと。


児東公先生の門前にて一昼夜過ごす。


東公先生朝その子を呼びて問いていわく。

汝、父母の家業を為せと言うを如何に考えたるやと。


児答えていわく。

我が家を出るならば、家業を手伝う者なく父母困りたる故なりと。


東公先生いわく。

物事には多くの理あり。

汝の父母の家業を為せと言うは、汝の言うとおり、父母が困ることもあらん。

されど、汝が家業を継がば、汝飢えること無しとも考えたるやもしれず。

汝、一つの事に一つの理のみを見いだすことなかれと。


児大いに感じて、一度父母の元へ戻れとの東公先生の言葉に従う。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ