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東公先生 鳥の糞を語る/東公先生 庭を語る
東公先生 鳥の糞を語る
ある日、東公先生道を歩きたる時に一羽の鳥東公先生の衣の背に糞を落とす。
東公先生これに気付かず街に入る。
ある人これに気付きて東公先生に教える。
東公先生糞を除かんとするも手届かず。
街中故衣を脱ぐこと叶わず。
東公先生いわく。
如何ともし難きならば東公これを知らざればよかりしものをと。
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東公先生 庭を語る
かつて東公先生都にて学びし時、屢々訪れし庭あり。その庭は東公先生の友人の父造りしものなり。
東公先生の元に友人より書届きて都に来る時に庭を見に来られたしという。
東公先生庭を訪れ友人にいわく。
新たに造りし時の庭良きものなれど、時を経たる庭また良し。
友人いわく。
我らの交わり淡くなれども時を経てまた良き交わりなりと。
東公先生いわく。
是なりと。