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東公先生 自爆を語る
東公先生の家の近くに枯木あり。
大風吹きたる日倒れる。
その枯れ木、近くに住まう者分けあいて薪とす。
そのことを聞き及びし、近くに住まわざるが故に薪を得ざる者、薪を得たる家を巡りて、その者にも薪を分け与えよと求める。
薪を求める者、東公先生の家にも来たりて薪を求める。
東公先生いわく。
薪は近くに住まう者が分けたるがゆえに、薪を求むるならば、汝この近くに住まい移すべしと。
求める者いわく。
薪を近くに住まう者が分けること、我同意せずと。
故に住まいを移さずとも薪を与えよと。
東公先生いわく。
されば、近くに住まわざる者に薪を分け与えることに東公同意せず。
故に汝には薪を与えずと。