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東公先生 昼寝を語る
東公先生いわく。
東公日に三睡す。
夜に夜寝、朝に朝寝、昼に昼寝すと。
それを聞きてある人いわく。
寝過ぎならん。
東公先生答えていわく。
夜寝するは長く眠りて疲れとり身体日々健に過ごすためなり。夜寝せざれば翌日動けずと。
ある人また曰く。
ならば朝寝は不要ならざるやと。
東公先生また答えていわく。
朝寝するは夜寝ののち雀時鳥の声を聴き、朝の光の中まどろみ心日々安穏に過ごすためなり。朝寝せば心健やかにして目覚むるべしと。
ある人また曰く。
ならば昼寝は不要ならざるやと。
東公先生にやりと笑いていわく。
昼寝こそ要ならん。昼寝をたしなべば寸時にして心身ともに快となる。汝知らざるかと。