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すろーりりぃ  作者: ゆり
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すろーな出会い

少し肌寒いけれど、確かに暖かくなっていることを実感できる春の朝、私は、学校へ向かっていた。

学校で授業があるわけではなくて、

ただ単純に自分の怠惰のせいで補習に行かなくちゃいけないから。

本来だったら寝ているはずの時間にわざわざ起きるのが億劫で、

やっぱりしっかりテスト勉強をしておけばと少し後悔をする。まあ今更だけれど。


なんとか学校について補習の教室に向かう。


補習に来るやつなんてそんなにいないだろうと思っていたけれど、

廊下にはまばらに人がいて、思ったよりも補習を受ける怠惰な奴がいることに驚く。



目的の教室のドアを開けて教室に入ると、全く人がいない。

廊下にはまあまあ人がいたのに。


とりあえず後ろの席に座る。




「…早く来すぎたかも」


補習の時間は9時からなのに、まだ8時半である。

別に補習に意欲があるわけではなくて、電車の時間の関係上この時間に来ざるを得なかっただけだ。


「ん~!!ひまだなぁ」


意味もなく背を伸ばしてみる。


…。むなしい。暇だなあ…。


「ひーまー!まーひー!ひまままままままままま~!」



ガラッ


歌を口ずさむのをさっとやめ、ドアのほうに目を見やると

たぶん同級生(いつか廊下ですれ違ったことがある気がする)の女の子が立っていた。


聞かれて、ないよな。

うかつすぎた。補習に早く来すぎてしまう奴なんて

私以外にもいるかもしれないって少し考えたらわかるはずなのに。




「あ、えっと…おはよう」


…!何やってるんだ私は。初対面なのに挨拶とか距離感絶対おかしいって思われた…!


「うん、おはよ。」




「…。」


「…。」


気まずい。中途半端に挨拶なんてしなければよかった。


そんなことを思っていると女の子が近づいてきた。


「あのさ、前の席座ってもいい?」


「え、あ、う、うん、もちろん!どうぞ!」


まさか隣に座られるなんて思ってもみなくて変な声が出てしまった。


「名前は?私は、本田葵っていうんだけど。」


「えーと、草ノ瀬瑞葉…です」


「みずはは、苗字も名前も植物系だね。」


「た、確かに…?いわれてみれば…。」


考えたこともなかった。


しばらく私と本田さんは他愛のない話をしているとあっという間に補習の時間が来た。


******


補習の時間も終わり、帰宅しようと教室を出かかったとき本田さんに呼び止められた。


「みずはー!!一緒に帰ろー?」


「うん、いいよ。」


さっき話していた時も思ったのだが、いきなり名前呼び捨ては何というか

距離感が近いなと少し感じる。いや、嫌なわけじゃなくて

むしろ私のことを友達みたく接してくれてうれしいんだけれど…


「てか、おなか減ってない?時間が良ければ、駅前のミスド行かない??」


私もおなかが減っていたので是非その提案に乗らせてもらうことにした。(というか補習中におなかなりそうで緊張した!結局鳴らなかったからよかったけど!)


******

駅前のミスドは思ったよりも空いていた。


「わ~!どれもおいしそうだね!!めっちゃ悩む…。」


「分かる、悩むよね。」


王道のポンデリングに決めたい気持ちもあるけれど、

でもクリームのエンゼルクリームも捨てがたい…いや、オールドファッションもいいな…


ひとしきり悩んだ後、やっぱり今日は王道のポンデリングで行くことに決め会計を済ませて席に座る。

本田さんは…まだ悩んでいるみたいだ。


結局本田さんが選び終わったのは、私がポンデリングを食べ終わった後だった。


「いやー、どれもおいしそうで迷っちゃって。めんどくさいから迷ってたやつ全部買っちゃった!」


本田さんの目の前には、5個、いや、6個のドーナツがうずたかく積み上げられている。

私よりも小柄な体にそんなに入るのだろうか…?


結論から言うと、入りました。

心配する必要なんてなかった。人体ってすごい…。

あまつさえ、


「期間限定のチョコかかってるやつ気になるなぁ…。」


なんてことをのたまわれて追加で2個食べていた…こわい…


食べ終わったあと私たちは少し会話をして、そして、別れた。




私は補習はこの日以外になかったので、春休みが終わるまで本田さんと会うことはなかった。

読んでくださりありがとうございます!!

まだ百合の要素が全然ありませんがだんだん増やしていく予定です。

では。

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