街灯
掲載日:2021/11/23
なんとなく考えた世の中にごまんとあるような物語
街灯に火が灯る
暗い世界に光りが現れる
私はそれに向かって進む
パタパタと
だけど真っ直ぐに進むのは苦手だ
右に左によろめく様に飛んでいく
フラフラとヨロヨロと飛んでいく
そして長く飛び続けるのも苦手だ
何かにぶつかって、そこで身体を休める
だけど光りはまだ上のほう
暖かな光りは上のほう
ここは暗く、そして寒い
私は飛ぶ、上へ
私は飛ぶ、光りに向かって
ようやく私は光りの近くまで来た
ああ眩しい、だけどなんて暖かいんだ
私はそこで目をつむった
だけど………
痛い! なんだ!
それは仲間達だった
自分と同じ光りを求めて集まった仲間達
皆が皆、光りに群がりぶつかりあっている
ダメだ! 許さない! これは私のものだ!
こんなに輝き、暖かなものを失うわけにはいかない!
私は飛び、近づく仲間達を叩き落としていく
大きな羽で叩き落としていく
長い時間がたつ
私の羽はボロボロになって、体力も限界だ
ここで堕ちたら、もう上がれないだろう
それは嫌だ! これは私だけのものだ!
私は光りの中に飛び込んだ
「お母さん〜、チョウチョ焦げて死んでるよ」
「蛾ね、昨夜に街灯の火で焼かれたのね。触っちゃダメよ」
「うん」




