勇魔軍総督戦 結末 HAPPY END
【世界観】
勇魔軍 結末 HAPPY END
っはは……。まさか、私が敗けるなんてね…。
超越者たる存在にまでなったと言うのに、結局の所魔王はどこまでいっても敗北者って事か……
何でこんなことを……か。そうだね。私はもうすぐ消える。気晴らしに少し昔話でもするとしようか
…私は元々他の子供より異質な子でね、やたらと時間を気にしていたのを覚えているよ。
他の子供が時間を気にせず外で泥だらけになって遊んでいる間、私は日が昇る前から日が暮れるまでずっと剣を振っていた
他の子供が夜寝る前に絵本を読んでもらいたがる年頃であっても私は夜が更けても学術書や魔法書の類を読み耽った
そんな私を他の人達は異質だと、異常だと罵った。だけど、私はそんな他人からの評価すら耳を傾けなかった。ただひたすらに、狂ったように自身の実力を高めることに時間を費やした。
私にはギルバートという幼馴染みがいた。ギルバートはこんな異質な私を見ても笑わずに一緒に剣を振ってくれた。夜が更けてもずっとだ
だけど、剣の才能はギルバートの方が上だった。最初は恨みもしたさ。だけど、ギルバートは私からの罵倒も憎悪も全て受け止めた上で幼馴染みとして私を支えてくれたよ
そんな日が続いてから、成人の儀でギルバートは『剣聖』私は神から『勇者』という職業を与えられた
こんな私になんで勇者なんて職業が与えられたのかは分からない。けど、勇者という職業を与えられた以上、勇者の責務は全うしないといけない。
私とギルバートはすぐに王国に召し抱えられたよ。
そこで魔王を倒す為に様々な訓練を受けたよ。
そしてそこで会ったのが当時『聖女』という職業を与えられた教会のシスターであったアイリスと、勇者の装備を鍛えるための『鍛冶王』としての職業を与えられたガンヴィル。王国の宰相の息子で戦略や軍略の勉強をしてるバルディラだった
私達は勇者パーティーとしての連携訓練を共にする内に親交を深めてお互いの腹を割って話せるほどの間柄になった
そしてある程度練度が高まった頃に魔皇討伐に向かったよ。
道中は楽なことばかりではなかった。旅の資金を得るためにアイリスは春を売ったりもしたし、ギルバートは人を大勢殺しもした。
私もクーデターの旗印として先頭に立って、人を殺した事もあった
そんな事を続けて魔皇の元まで辿り着いたら魔皇は無実で私達は王国に騙されてたことを知らされた
その時の私たちの気持ちが分かるかい?多分、その時にはもう私の心は砕けてしまったんだと思う
それからは君もよく知るとおり、私達は魔皇達に付いて君たちと敵対した
最初のうちは王国や帝国からの軍勢も押し返せていた。けど、私の甘さが原因なんだろうね。受け入れた難民の中に王国の影がいた。その影に私以外の全員は殺されてしまった
その時思ったんだよ。
「こんな世界壊れてしまえばいい」
ってね。そうしたら私に発露したのさ【クロノス】と【カオス】がね
私はすぐにこの世界を壊そうとした。けど、出来なかった。何度も何度もやったけど、成功する気配すらなかった
だから私は考えた。考えて考えて……考えついた先が
『私の最も幸せだった時間を繰り返す』
『たとえ死んだとしても何度も蘇生するように空間を書き換える』
だった。その結果が何度も復活する魔皇と八神将の真実さ
もちろん、世界そのものを書き換えようとしたがそれも叶わなかった。私の力が及ぶ範囲は魔族領だけだった
ん?八神将と魔皇が使っていた権能?あぁ、それは私のクロノスのチカラだよ。その人が時間をかけてたどり着くであろう能力を肉体はそのままに能力だけを与えるというものさ
……どうやらもう時間は残ってないらしい。君はその能力をどう使う?
………ははっ。そうかい…。君らしい答えだ
だったら私は君の人生に幸多からんことを祈っているよ。
さようなら隊長君……いや、『人類の希望』君




