四十二話 レッド、勝利する
名前 ベン・バックマン
種族 人間
年齢 25歳
出身地 ど田舎
一人称 オイラ
髪色 茶色
職業 農夫
装備 魔道士の服
アイテム 花の種
畑への愛 100%
スキル 天候変化
体力 150/150
魔力 170/220
魔法属性 地属性
魔法レベル
火 2
水 10
風 0
地 25
光 2
闇 1
知識スキル『ウィッキーペディア』でベンの情報を確認する。
転生子であったハナさんの情報は、エラーで見れなかったが、普通の人間なら細かいところまで見ることができた。
さらに『ウィッキーペディア』で、ベンの略歴を見る。
『農家の長男として産まれ、幼い頃から父親の農園を手伝う。
母は妹が産まれた時に亡くなっており、父もベンが十五歳の時に事故で他界する。
若くして農園を経営することになるが、真面目な性格のベンは、妹を育てながら立派な農夫として成長していく。
やがてベンは、畑への強い愛情から、地の精霊に好かれるようになり、自然と地魔法を身につけ、それを農作業に活用する。
兄妹は仲睦まじく、二人は幸せに暮らしていくと思われた。
しかし、一年前、ベンの妹が大病を患う。
その病気には定期的な治療薬の投与が必要となり、その通貨を稼ぐためには、農家の仕事だけでは全く足りなかった。
本来、争うことを嫌うベンだが、妹の為にガレア兵士の入団試験を受けることを決意する。←New! 』
ベンは修練を積んだ魔法使いではない。
土を愛する田舎の農夫が精霊に好かれ、自然と魔法を身につけたタイプだった。
そして、病気の妹のために畑を捨て、入団試験を受けにきたようだ。
なんとも泣ける理由だが、知ったこっちゃない。
僕は僕で負けられない理由がある。
お前の情報、そのすべてを利用させてもらう!
土の壁で、僕の攻撃を防ぎ、十分な距離をとったベンが再び詠唱する。
「我は繰り返し求む。貫け、貫け、貫け、貫け」
今度は四本の土の槍を作ろうとしたのだろう。
だが、ベンの前に作られたのは、十本を超える大量の槍だった。
「な、なんだっ!? これはっ!?」
ベンが驚くのも無理はない。
四本を超える分の土の槍は、僕が無詠唱で作り出した槍だ。
だけど、誰も僕がそれを作ったとは思わない。
風魔法しか使わず、それを得意属性と試合前からみんなに公言している。
僕が反対属性である地魔法を無詠唱で使うなど、絶対にあり得ないことだった。
「まさかっ、魔法が暴走しだのかっ!」
予想通り、ベンですら自分の魔法が制御を失ったと勘違いしている。
「オイラが、魔法を使って人を傷つけたからっ、地の精霊様が、お怒りになっただかっ!?」
そんなことでは、精霊は怒らない。
たとえ、何人傷つけ、殺しても、精霊は魔力さえ与えれば、どんなことでも聞いてくれる。
僕は、混乱して土の槍を放てないベンに襲いかかる。
「うわぁあぁ。大地の力よっ。我が盾となり、守りたまえっ!」
咄嗟にベンが土の壁を出現させる。
僕はトドメとばかりに地の精霊に心の中で、再び念じた。
同じやつ、いっぱいプリーズ。
闘技場を埋め尽くすように沢山の土の壁が、ベンの足元から出現する。
そのまま、ベンは崩れるように地面に手をついた。
「ひぃ、ごめんなさいっ! 地の精霊様っ! 許してくだせぇぇぇ!!」
完全に戦意を無くしたベンが泣き崩れる。
「それまで、勝者レッドっ!」
すべての者が唖然となる。
戦いは、僕以外、誰も予想していない形で決着がついた。




