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1 異世界に来れた……?
「……本当に来れた、異世界」
ずぶ濡れのウェットスーツを着た私は、呆然と空を仰ぐ。
立っているのは林の中の小さな池の脇。
マヌケな絵面だけど気にしない。
何せ私は、異世界に来たのだから。
「さてと、うわっぷ!」
ドサッ
足に絡まったロープで盛大に転んだ。
……開幕からパッとしないなぁ。
地面に横たわったついでに、足に絡まったロープを引っ張りながら今の状況を整理する。
「まず、ここは恐らく異世界。多分。メイビー。……で、私はこの池から出てきたっぽい。」
私の足に絡まったロープは池の底の方に続いていた。
このロープは私がこっちに来るときに残した目印。
パンくずを帰り道の目印に……じゃないけど、これが最重要。
この後、これを伝ってもう一人此方に来るのだから。私は先陣を切ったわけ。
危険な賭けだったけど上手くいったみたいで良かっ……
スルスルスル……スッ
ロープ切れてた……
「…………あああ!?」
設定をちょっといじって再出発します!