表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

(´・ω・`)本日2話目ナリ

 この世界に転生してから2年と3ヶ月が過ぎた。

 バングルで確認してみれば、踏破した距離は138万キロを超えたところだ。

 毎日毎日したことと言えばひたすら走って走って走って、たまに何かを創造して、そしてまた走って。

 1日の終わりには刀を扱う練習をして1時間だけ眠る。

 そして起きたらまた走る。

 この体のスペックにも馴染み、今では本気で走れば時速150キロは出る。

 しかし、ここまでの道程で生物との遭遇は皆無だった。


 正面に目を向ければそこには目的の都市。

 まだ少し距離はあるが、このペースであればあと3週間ほどあれば辿り着けそうだ。

 転生した直後に見た時、この都市を大きいと感じたが、あれは間違いだった。


 大きいなんて言葉に収まるもんじゃない。

 なんと表現していいかわからないが…ここまで大きくなると比較対象がない。

 というか、138万キロ離れたところから見ても大きいと感じたのだ、察して欲しい。

 転生前の世界では視程が50キロもとれれば記録的な状態であったらしいが。

 この世界の空気は異常に澄み渡っている。

 きっと空気中に埃がないこと、それとアスレルの力で視界が強化されたことによって見ることができたのだろう。


 ちなみに、バングルで中央の塔の高さの概算を測ってみたところ1万2千キロと出た。

 地球の直径とほぼ同じ高さの塔です。

 もうアホかと。

 

 確かアスレルはあの塔の最上階に遺産があるとか言ってたな。

 ということはあの塔を作ったのはアスレルか?

 もうアホかと。

 桁外れすぎて想像すらできない。

 ていうか…2万キロ以上階段を登るハメになったりしないだろうな?

 そんなことはないと思うが――もし仮にそうだとしたら、たとえ何年、年百年かかろうが構わない、絶対にあの塔をへし折ってやる。


「しかし、とりあえず都市に行けばいいと思っていたが…」


 本当に都市に着けば情報が得られるのだろうか。

 限界まで強化した視程を持ってしても、都市には人の影が見られない。

 まさか無人都市でしたーとか言わないだろうな。


「…まあいい。とりあえずまずは向かってみて、その後のことは着いてから考えよう」


 最近、自分でも思うんだが…どうにも感情の起伏が乏しくなってきている。

 確かに転生前もどちらかと言えば冷静な方ではあったと思うが、さすがに2年3ヶ月に及ぶ旅程が無駄になることをまあいいの一言で済ませられるほどではなかったハズだ。

 これも創造神の力を受け継いだ副作用…なのだろうか。

 そう考えると少し複雑な気分になるが、しかしこの世界には転生前の世界と違って、明確に敵というものが存在しているという。

 未だ遭遇こそしていないが、いざ遭遇した時に躊躇して殺せません、では命がいくつあってもたりない。

 そういう意味ではプラスであると考えられる、のだろうか。


 ちなみにここ2年間、毎晩寝る前に体力のギリギリまでひたすら刀を生み出してきた。

 56本まではなんとか創造することができる。

 しかし、57本目を作ろうとすると意識が飛ぶ。

 また、繰り返し作り続けた恩恵か、今では1本生み出すのに1秒もかからなくなった。


 そしてあれから能力についてもう一つわかったことがある。

 創造できるものは物質だけに留まらなかった。

 飲み水が作れるのだから、と試してみたところ、火や電流なども生み出せた。

 正直、魔法を使っているようでめちゃめちゃ楽しい。

 これが分かった時なんて、ひたすら電流というか雷を放ち続けてぶっ倒れたものだ。

 まあ、仕方ないよね?


 ちなみに、空を飛んだり念動力で物を動かしたりといったことはできなかった。

 非常に残念である。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ