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 この世界に来てから体感時間で3日ほど歩いただろうか。

 しかし、目指す都市との間隔はあまり狭まっていないようにも感じられる。

 一体どれだけ時間がかかるのだろうか。

 ここまでの間、やはりというか相変わらずというか、自分以外の生物との接触はなかった。


 あれから幾度か能力の確認を行った。

 その結果わかったことが幾つかある。

 まず1つ目。

 身体能力が大幅に強化されているということ。

 転生する前、何度かバイクで高速道路を走ったことがあるが、今では素でそれと同じくらいの速度、つまり120キロほどで走ることができる。

 一体どうなってしまったんだ俺の体よ。

 ちなみに、バイクは好きだが運が悪すぎていつ事故を起こすか気が気じゃなくて、すぐに辞めてしまったのだが…話がずれた。

 同様にジャンプ力も上がっているようで、垂直飛びでなんと5メートルほど飛び上がることができた。

 きっと筋力も上昇しているのだろう。

 見た目的にはシルエットが変わるほどの変化はない。

 だが、服の下はハリウッド俳優もかくやという引き締まった細マッチョボディになっていた。ちょっ と、いやかなり嬉しい。

 今の身体能力があればそこそこ戦えるとは思うが、忘れてはならないことがある。

 アスレルは転生前の白い空間で『地球の生物は信じられないほど弱い』と言っていた。

 確かに身体能力は上がったが、慢心は油断を生む。

 今はこの世界の強さカーストの最底辺に位置すると考えておこう。


 そして、服を生み出し視界を明るくした能力について。

 前者については単純明快なものであった。

 それは想像したものを生み出せる、という凄まじい能力。

 とはいえ、制限なくなんでも生み出せるというわけではなかった。

 今まで生み出せたものは服を始めとして食料やナイフ、ベッドなど。

 感覚的には俺よりも大きいものは生み出せなかった。

 車が生み出せたならだいぶ楽になったんだが。


 また、何かを生み出す際には体力を消費した。

 自分の身長に収まる程度の小物なら多少の気怠さ程度で済む。

 だが車を創造しようとした時は一瞬で目の前がぼやけるほどに体力を消耗した挙句、何も生み出せないという結果になった。

 また、好奇心で聖剣エクスカリバーを創造しようとしたが…結果として俺はその場で強制的におやすみなさいすることとなった。

 もちろん聖剣エクスカリバーは創造できなかった。

 スマホを創造しようとしても車のときと同様だったことから、創造する際に消耗する体力及び創造できるかどうかの条件は、大きさと複雑さ、そして曖昧な表現ではあるがレア度に関係してくるのではないかと推測される。

 複雑さという条件だが、構造を理解していないと創造できないという可能性もあるのではないだろうか。

 まあこのあたりは要検証だな。


 そして、何度か同じものを創造してみたのだが、心なしか1度目よりも2度目のほうが消耗する体力が少なかったように感じられる。

 理由としては3つの要素が考えられた。

 1つ目は、一度作ったことがあるものは2回目以降の消耗量が減少するというもの。

 2つ目は、創造を重ねることでいわゆる熟練度のようなものを得て創造レベルがあがっているのではないかというもの。(そんなものがあればの話だが)

 そして3つ目は、創造するごとに体力の上限値が増加しているのでは、というもの。

 これに関しても同様に検証していきたい。


 最後は2つ目の能力である夜目を得たことに関して。

 これはおそらく創造と同様に臨んだ状態へと俺自身の体を上書きする能力ではないかと考えている。

 自分の体を上書きという推測が正しければ、取り返しのつかないことになるということもあるだろう。 

 これについては怖すぎてまだ検証ができてない。

 望む力が手に入るならそれ以上はないとも思えるほどの力だが…正直今のところ使う予定はない。


 以上が自分の身の変化に関して今わかっていることだ。

 ちなみにだが、空が見えないため時間の感覚があまりなくハッキリとはわからないが、どうも転生する前よりも空腹になるペースが落ち、睡眠もあまり必要ではなくなった気がする。

 これもアスレルの力を受け継いだ効果なのだろうか。

 ずっとひたすらに歩き続けているのだから、時間を長く感じているのだと言われてしまえばそれまでだが。


 まあとは言え、ただただずっと歩き続けるだけ、というのも退屈だ。

 だから思い出したタイミングで食物を創造したり睡眠をとったりはしている。

 しかし…時間か。

 腕時計でもあれば便利かもしれないな。

 よし、ちょっと作ってみるか。

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