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肩が凝ってたので転生させました

掲載日:2026/06/13

 気が付けば、白い世界に俺は漂っていた。


 ——俺は、死んだのか?

 

 その問いに答えるかのように、突然現れた神が言った。

 

「問答無用で転生させるんじゃが、スキル何が良い?」

「問答無用なのかよ!」


 あまりの言葉につい突っ込んでしまったが、どうやら本当に死んでしまったらしい。


 俺は、先ほどまで生きていた世界のことを考える。

 

 何も続かない人生だった。

 よく言えば広く浅く。悪く言えば飽き性。


 だから――。


「何かを成し遂げるスキルが欲しい」


「そうかそうか。ならば丁度よいスキルがある。次の世界は魔法が飛び交うファンタジー世界じゃ。そこで頑張るのじゃぞ」


 神様の指が俺の肩を突く。


「うっ――ヒデブッ」


 秘孔を突かれた俺は文字通り爆散し、そのまま異世界へ転生した。

 

 身体が爆散したことには驚いたが、この世界で再構成させるためと思えば仕方ないのかもしれない。

 というか、そのシステム最悪だからやめろ、神。


 そして、目覚めたそこは、見渡す限りのファンタジー世界。

 空にはドラゴンらしき影まで飛んでいる。


 ……普通に怖いんだが?


 ともかく、俺は神に貰ったスキルでここに金字塔を立てる。知らんけど。


 そのために貰ったスキルは一体なんだろう。


 いそいそとステータスをオープンすると、そこにはきちんと神から貰ったスキルが、仰々しく七色に輝く文字で書かれていた。

 ゲーミングスキルやめろ、神。


 チカチカと瞬くスキル名を確認する。


 『スキル・凝り性』


 ――変なスキルだな。

 けど、前世では飽き性だった俺には似合いのスキルかもしれない。


 これで、一つのことに集中して、冒険者ギルドではS級になったり、鍛冶ギルドではマスターになったりできるのかもしれない。


 そう思うと、わくわくが止まらない。


 神様、ありがとう。

 俺はこの世界で強く生きて――。


 その瞬間、ゲーミングスキルがパパっと点滅し、今まで光っていて見えなかった項目が目に留まった。


『スキル・凝り性 効能・肩凝り』


 ふざけんな、神! てめぇ!

 肩凝り貰ってこの世界でどう生きていけばいいんだよぉぉ!!


 俺は天に向かって悲鳴ともとれる大声で吠えた。



 そして数年後——この世界に伝説級の剣を造りだすS級冒険者が現れるのはまた別のお話。

 なお彼は終始、肩凝りに悩んでいたとも言われている。

今日はあまりに肩が凝っていたので、つい変な掌編を書いてしまいました……。


同じ思いをしている人に届け。


(届かなくていい)

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