……それじゃーダメかな?
「だから私はやっぱり天音ちゃんや帆波ちゃんよりも月ちゃんに気を遣っちゃうと思う。だって私たちは異性だから。でもね、私は帆波ちゃんや天音ちゃん同様月ちゃんも大好きなんだよ。そこに性別なんて関係ない。私は月ちゃんが好き。だからこれからも一緒にいてほしい。私と月ちゃんは異性でもずっと友達だよ」
静香と月が異性であることは変えられない事実だ。
だが、友達になれないわけではない。
静香は天音と帆波のことが好きなと同じぐらい月も好きだし、友達でいたいと思っている。
「私は、異性の月ちゃんが大好きだよ」
どうすれば自分の気持ちが月に伝わるか分からなかった静香は月を抱きしめた。
体全体で月に自分の気持ちを伝えるために。
「ふぇ」
月は変な声を出したものの、静香を拒絶するようなことはしなかった。
「私たちは異性でもずっと友達でいることはできるよ。だからずっと友達でいよう。……それじゃーダメかな?」
「……ダメじゃないよ。私もずっと静香ちゃんと友達でいたい。ううん、三人と友達でいたい」
これが静香の答えだった。
静香と月が異性同士ということは変えられない事実だ。
でも、ずっと友達でいることはできる。
月も本心の部分は同じだったらしく、静香たちと友達でいたいようだ。
「……だからなぜ我がハブられておるのだ」
「……はいはい。しつこいよーメアリー」
メアリ―がブツブツ文句を言い、天音が軽くあしらっている。
男の娘と女の子。
近いようで遠い存在。
同じ人間で見た目もそっくりなのに、色々と違う存在。
異性だから気を遣った男の娘たちと、異性だからこそ気を遣われ疎外感を抱いていた女の子。
これはどっちが悪いという話ではない。
ただ、四人とも相手を思いすぎるがゆえに、起こったすれ違いである。
静香は月の体を抱きしめながら思う。
同じ体型なのに月はやっぱり女の子で、柔らかくて弾力がある。
もうそろそろ藍色の空が顔を出し始めている。
この日、三人は初めて本当に友達になったのであった。




