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吸血鬼は人間の君に何度も恋をする  作者: 黒姫 百合


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……ここって銭湯ですか

 休み時間や昼休み、何回か静香や帆波たちと目が合ったが話しかけてくることはなかった。


 それはそうだろう。


 あんなにも月は静香たちを拒絶したのだ。


 もし月が静香の立場だったら、なんて話しかければ良いか分からないし、なにを話せば良いのか分からない。


 それに話しかけづらいのは月も同じである。


 あんな拒絶するようなことを月は言ったのだ。


 月自身どの面下げて静香に話しかければ良いのか分からない。


 これも今までボッチでいた弊害だった。


「今日は久しぶりに一人だったな~……」


 入学して以来初めてのボッチ。


 今まで忘れていた感覚を月は思い出す。


 これが高校に入るまで当たり前だった。


 一人で登校し、一人で授業を受け、一人で下校する。


 毎日淡泊な日常。


 これ月の日常だった。


 でも入学式の日、月は静香に出会い、ボッチではなくなった。

 そのおかげで、中学時代のようなボッチ生活ではなく友達に囲まれた楽しい高校生活になった。


 でもそれを月は壊したのだ。


 自業自得である。


「……なんであんなこと言っちゃったんだろう」


 覆水盆に返らず。


 吐き出した言葉は取り消すことができない。


 月は一人自責の念に苛まれる。


「月、少し良いか」

「っ……」


 どれぐらい一人で悩んでいたのだろう。

 いつの間にか教室に残っている生徒も少なくなり、教室にいるのは月とメアリ―と少数のグループだけであった。


 静香たち男の娘三人はもう教室にはいなかった。

 まさかメアリーに話しかけられるとは思っていなかった月は息を呑んだ。


「今日暇なら我に付き合ってくれないか?」

「……暇ですけど、一人でいたいので……」

「心配するな、月にとっても悪くない場所だ。ほら、行くぞ」


 今日の放課後に予定とかはない。


 でも休み時間にあんなことを言った手前、誰とも一緒にいたくはなかった。

 だから断るもそれが聞こえていなかったのか、月の意思を無視して無理矢理どこかに連れて行こうとする。


 月は今までボッチで過ごしてきたため、断ることができずにメアリーに連行される。


「どこに行くんですか」

「それは秘密だ。その方が面白いだろ」


 メアリーに行き先を尋ねた月だったが、メアリーはいたずらっ子みたいな顔で月の質問をはぐらかす。


「……ここって銭湯ですか」

「そうだ。銭湯だ」


 メアリーに連行された場所、そこは銭湯だった。


 あまりにも予想外な場所に、月の思考がフリーズする。


 なぜ銭湯なのか、皆目見当もつかない。


「今日は我のおごりだ。なにも心配するな」


 そう言ってメアリーは二人分の券を買い、その一枚を月に渡す。


「……ってどうして銭湯なんですか。別にお風呂に入りたい気分じゃないんですけど」

「そりゃー、腹を割って話すならお風呂が一番だろ。裸の付き合いってやつだ。もしかして現代ではそういう風習はもうないのか?」

「えーっと……裸の付き合って物理的な意味じゃないですよ」

「そうなのか。でも裸の方が開放的になって、本音が話しやすくなるだろ」


 別にお風呂に入りたい気分ではなかった月はなぜ、自分を銭湯に連れてきたのかメアリーに質問をする。


 メアリーは月と裸の付き合いをしたいらしいが、別に裸の付き合いはお互いに裸になることではない。


 そこの部分にツッコミをいれると裸の付き合いを物理的な意味で勘違いをしていたメアリーは恥ずかしそうに顔を赤く染め、しどろもどろになる。


「……そんな細かいことはどうでも良い。券も買ったのだ。お風呂に入ろう」


 券を買ってしまった手前、このまま帰ってしまっては券がもったいない。

 メアリーは自分の勘違いを誤魔化しながら月と一緒に女湯の方に入る。


 券を買ってしまった手前、渋々メアリーに付き合う。


 平日の夕方ということもあり、脱衣所に月たち以外にお客さんはいなかった。

 適当に空いている場所で服を脱ぎ、ロッカーへとしまう。

 そしてブラジャーとショーツ以外脱いだところで、月は躊躇してしまう。


 隣を見るともう全て脱ぎ終わったメアリーがいる。


 肩にタオルをかけている姿はまさに漢だった。


「どうした月。どうして脱がないんだ」


 ブラジャーとショーツ姿でいる月に不思議に思ったメアリーは月に話しかける。


 ちなみに月は未だオシャレに目覚めていないため、色気のない白のショーツとブラジャーである。

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