9、ペア解消の本当の理由
エアコンの音だけがフロアに鳴っていた。そして、真っ暗な部屋に二人だけの囁きがしていた。
「椿…」
「何…お兄ちゃん…」
「初めて……だったのか?」
「そうだよ…悪い?」
「そうじゃないよ…そんな事じゃ…ないんだ。
てっきり、白川と………そうなのかなって…」
「そうね…彼からは、ずっとアプローチされてるは…今もね…」
「だったら、なおさら、俺なんかと…こんな事…」
「あーあ、こんな事って、言っちゃうんだ。
この神聖なる儀式に対して…
こんな事かぁ…あーあぁ…」
「悪かったよ!いい間違いだから…
でも、良かったのかな。こんな事して…」
「あっ!また言った。
もういいでしょ!私がお願いしたんだから…
お兄ちゃんじゃないとダメだって...
私……ずっと、こうなりたかったの
だから、お兄ちゃんとペアを解消したのよ!」
「えっ!? どう言う事だ。
ペア解消の理由は長く一緒に
やり過ぎて色々な事が頭打ちになって
演技が停滞してしまった…伸び悩んだ
……って、それじゃなかったか?」
「それは、表向きの言い訳よ!
お兄ちゃんとエッチしたかったけど
出来そうにないから…それがつらいから
辞める!..なんて言えないでしょ!
言える訳ないよ!」
「そう言う事だったのか…
俺なんにも、察してやれなくて…
悪かったよ!申し訳ない…」
「いいよ!もう……あのね…
私、お兄ちゃんの事がずっと好きだったのよ!
兄弟としてだけじゃない。
パパの好きとも違う。
男性としてだよ!
わかってたんでしょ!
私の気持ち!
でも、お兄ちゃんはいつも、無い事にした。
私がいくらアプローチしても
何も無かった事にした。
私を傷つけたく無かったのかも知れないけど
私は充分、傷ついてたよ!
だから、耐えられなくなったんだよ!
何度も振られて、こりたんだよ。
もう、お兄ちゃんと踊れないって…
失恋した相手がずっと目の前にいるんだよ!
朝から晩まで…
思いが届かないのに…
その人の腕の中で踊る
こんな残酷な事が他にあるの…
それが真実よ…
それが、ペア解消を言い出した本当の理由よ」
「椿……俺は…」
「お兄ちゃん!私って、おかしいのかな?
兄妹を愛するなんて…
恋するなんて…異常なのかな?
小学校の頃、友達から言われたんだ。
「お兄ちゃんの事が大好きだ」って私が言ったら
「じゃあ、クラスで好きな人は誰?」…って
「ううん!クラスにはいない。
他のクラスにもいない。
私が好きなのはお兄ちゃんだけだよ」って
そう言ったの……そしたら
「椿ちゃん、変!」だって、そう言われた。
だって、しょうがないでしょ!
本当にそうだったんだから…
私、この生涯で好きになった人…
お兄ちゃんだけなんだよ…
それも、おかしいよね!
普通、何人も好きになって、何人も付き合って
それが、普通でしょ!
それなのに私ったらバカみたいに
お兄ちゃん一筋で…本当バカだよ!
何度も諦めなさい!って
自分に言い聞かせたんだよ…
でも、私って、分からず屋だから
今だに、こうして、お兄ちゃんに片想いしてる。」
「椿…俺だって、オマエの事…
「ありがとう…でも、それがまた、罪作りなの!
思わせぶりで、ますます、好きにさせてどうするの!
自分はさっさと、結婚したくせに…」
「そっ、それは、すまん!
でも、俺はペア解消の時…
オマエに振られたんだと思ったよ!」
「それ、どう言う事、もしかして
お兄ちゃんも私の事
少しは好きでいてくれてたって事⁉︎ 」
「少しな訳ないだろ!
俺も椿の事、小ちゃい頃から大好きだった!
好き過ぎておかしくなってたよ!俺も…
大人になったら性欲も湧いてくるだろ…
恋愛対象が妹って言う時点で
俺も自分は変なヤツだって思ってたんだ。
それが性の対象にまでなってしまった。
椿の事を抱きたいって思うようになったんだ。
それから俺の苦悩が始まったんだ。
こんな思い、誰にも知られちゃいけない。
パパにママにも…
椿には絶対知られてはいけない。
そう思って、自分の気持ちを
必死で封印してきたんだ。」
「バカだね…私達…ヤッちゃえば良かったね!
あの頃……
そしたら…
ペア解消する事なかったかも知れないのにね…」
「…かもな…俺達だけの
秘密にしとけばよかったのかな…」
「そうだったのかもね」
「でも…椿からアプローチなんてして来た事
あったかな?」
「あったよ!やったよ…
色々、あの手この手って…
例えば、あれだよ…
お風呂で、お兄ちゃんの背中の
イボみたいなホクロ……
あれ、いつも、触ってたでしょ!
クリクリって…あれ、実は
私の乳首で触ってたんだよ!」
「えっ⁉︎ …………
ちょっと、言葉に詰まったよ…
それは、衝撃だ…」
「ドッキリ成功か!」
「バカ!それどころの話じゃねーわ!
それは、ヤバイぞ!」
「ハハハッ!始めはね!
もちろん指で触ってたの!
でね!ふざけて乳首を押し付けて
クリクリしてみたの
そしたら何だか、乳首が硬くなって
気持ち良くなってきたのよ。
そしたら、もう、それがやめられなくなって
毎日、お風呂が楽しみで待ちきれなくて
みたいな事になって…
お兄ちゃん…くすぐったいからやめてくれって
いつも言ってたけど
私の方は一足先に目覚めちゃたから
絶対に、これは、やめれないって思って頑張ってた。
頑張りどころが、おかしな方向に行ってたけど…」
「あれって、願掛けじゃなかったか?
お兄ちゃんのダンスが、上手くなるように
お願いしてたんだよ。
って、言ってたぞ!」
「それも、表向きだよ。
乳首で、発情してたなんて、言えないよ!
あんな小さい頃から目覚てたなんてねぇ…
恥ずかしいよ。
それに、願掛けなんて四六時中やってたよ!
お風呂限定なんかじゃなかった!
お兄ちゃん頑張れ!って、いつも、思ってたよ!
何なら、競技中もやってたよ!」
「そこは、集中してくれよな!」
「へへへっ!そだね!」
続く




