6、風呂上がりの禁断の果実
「椿…」
「何…お兄ちゃん!」
テーブルに着いて夕食をしている。今夜はチキンソテーとサラダなどだ。
「この部屋は、どうするんだ?出て行くのか?
あるいは、俺が出て行くべきなのか?
それともダンスの解消だけで
部屋は今まで通りなのか?」
「出て行く事に、なると思うわ…
だって、このままじゃ、お兄ちゃん!
彼女ができても
気兼ねして部屋に呼べないでしょ!
それに、あまり良いこと言われないもの…
変な勘繰りをする人もいるのよ。
あの兄妹は恋愛関係だとか…もう、致してる…
みたいな事…平気で書き込みしてる輩もいるの。
私は、いいけど…
お兄ちゃんを侮辱するような書き込み…
私は許せないの!
でも、こればかりは塞ぎようがないから
せめて、一緒に、暮らす事はやめて
潔白を主張するしかないわ…」
「わかった。俺は大丈夫だ!
そんなの気にしないよ。
だから椿も、そんな下衆な奴らの書き込みなんか
気にするな!
俺達はお互いを思いやっているだけだ」
本当はそんな事無かった。SNSの書き込み通りだ。
下衆なのは、俺の方だ。妹の寝姿を想って…
夜は中々寝付けない。
数歩、歩けば…
妹の寝息の聞こえる場所に辿り着けるのだ。
妹の風呂上がりの濡れ髪も悩まし過ぎるし
熱ったピンクの頬は愛らし過ぎる。
Tシャツから剥き出しになった
白く長い脚はあまりにも眩し過ぎる。
俺にとっての女神が同じ部屋で暮らしている。
魅力的で、俺好みの文句の付けようのない…
俺の理想の女性が目の前で笑い、息をし
ため息をつき、泣く。そんな時もある。
その涙はまるでダイヤモンドの欠片…雫の様だ。
その、全てが俺にとって尊く価値あるものなのだ。
それは決して犯してはならない領域。
オスの衣を借りて分け入ってはならない
聖域なのだ。
兄の仮面を装着した時だけ
踏み入る事の出来る。神の地なのだ。
幼い時は、ダンスが、終わるとシャワールームで
妹と二人でシャワーを浴びた。
お湯を掛け合い、辺りをビショビショにして
母に叱られた事もあった。
遊びの延長線がそこにあった。
風呂も一緒に入った。
両親とも当然のように一緒に入った。
しかし、それが一変するでき事があった。
小学校低学年の時、友達との話しの中で「妹とお風呂に入っている」と、何気なく言ったのだ。友達連中は驚ろいた。「まだ、一緒に入っているのか」と色めき立った。
その中には椿の事が好きな子もいた。椿はまだ幼稚園児だったが、その可愛さは群を抜いていたので、小学生まで好きな子が、いたのだ。
そんな、自分の好きな子が兄とは言え裸で一緒に風呂に入っているのは、耐えられなかったのだろう。
言いふらしと言う形で報復された。ネットで拡散された様なものだった。学校中に知れ渡った。
椿の耳までは届かなかったが、俺はその日以来、妹と風呂に入らなくなった。スタジオのシャワーも、別々にした。
妹は不満を訴えた。「お兄ちゃんと一緒じゃないと風呂に入らない」と、駄々をこねた。
俺は事情を両親に説明した。親は納得してくれた。しかし、妹は聞く耳を持たなかった。ダンスを辞めるとまで言い出した。
何故、妹が、そこまで、風呂に一緒に入る事に、こだわっていたのか…その時はわからなかった。
それがわかったのは大人になってからの話だ。懐かし話をしていた時に、何となく思いだし聞いたのだ。
それは、実に他愛ない事だった。
俺の背中にある大きなホクロを
触るのが好きだったらしい。
それが毎日の日課になっていた。
その内、そのホクロを人差し指で撫でながら
おまじないをする様になった。
そのホクロを撫でながら、お願いをしたら
ダンスが上手くいったと言うのだ。
俺は、くすぐったいからやめてくれと
何度か言った事があったけど
妹はそれを決してやめなかった。
妹にとっては
大切なコミニュケーションだったのだろう。
それが、突然できなくなると知って
慌てたのだ。
風呂じゃなくても
それは出来きただろと尋ねると…
お風呂で願いが叶ったのだから
お風呂でなくてはダメだ!
それが妹の見解だった。
しかも殆ど、お願いしていたのは俺の事だった。
「お兄ちゃんのリードが、上手くなりますように!」
「ターンが、上手くいきますように!」
「ステップが上手くいきますように!」
そう願掛けしてくれた。
ダンスを遅れて始めた俺を気遣ってくれたのだ。
それを聞いた時は思わずトイレに篭って泣いた。
嬉しかった。本当に嬉しかった。
あんな幼い頃から俺の事ばかり気にかけて
心配してくれて、励ましてくれていたのだ。
「お兄ちゃん!凄い!」
それが妹の口癖だった。
それを繰り返し、俺の気持ちを鼓舞してくれた。
俺はその言葉に大いに励まされ。
苦境を乗り越えてきた。
では、俺は妹に何をしてあげた事があったのか…
温かい言葉で励ました事があっただろうか?
いつも厳しい口調で叱咤していたような気がする。
無理矢理引きずり回すような
ダンスをしていたのではないか!
記憶を辿った。
全てを立て直さなければならない。
今のままでは、ダメだ。
妹の能力と魅力を最大限に引き出す
リードをしなければならない。
全て俺に掛かっている。
勝負の鍵は俺が握っているのだ。
妹が先に風呂に入り、今上がったところだ。洗面所のすりガラスにシルエットが映っている。
毎日この時間はザワザワ、ソワソワする。妹の裸を嫌でも想像してしまう。
妹の裸だ!
そんな兄貴が世の中に….他に存在するのか!ここでも自己嫌悪だ。
幼い頃は一緒に風呂に入っていた事をいきなり俺から辞めた。
友達の指摘がきっかけだったが、タイミングとしてはアレで良かったのだと今は思っている。
あの頃から、体型も、意識もガラリと変わってしまった。
初めて勃起したのも、あの頃だった。「一緒の時にそうならなくて良かった」と思った。
しかし、妹は、相変わらずで、風呂上がりは「暑い暑い」と裸で部屋中を徘徊して、母によく叱られていた。
俺はもう、その頃は、妹を異性として意識していたから、目のやり場に困った。
本当は、見たいけど、見たくないフリをしていた。妹はそれを面白がって、裸で抱きついて来たりした。 俺はバツの悪さで妹を激しくなじった。「いい加減にしろ」と……驚いて泣き出した妹は二度と俺の前で裸は愚か、着替えさえする事はなくなった。
当たり前の、状況になったのだが、本心は勿体無い事をしてしまたったと思った。嫌なのはフリだけで、内心は喜んでいたのだ。勢いで腹を立てて最高のシチュエーションを無くしてしまったのだ。残念過ぎて自分自身を恨んだ。バカだ!俺ーーっ!…と。
妹が幼児体型から女性の身体に、変わっていった時も、戸惑った。小学校高学年の頃にはもう、身長は150センチを超え立派に胸が発達して巨乳と呼べる程になっていた。
しっかりブラジャーをしていたが、ダンスのレッスン中に大きく揺れる胸に、こちらの方が集中出来なかった。
しかし、それも全く意に介してないフリをしていたのだが…
妹は「胸が痛い。ちぎれそうだ」と、母に訴えてスポーツ専用の少しお高めのブラジャーを装着した。
それは妹の柔らかいであろう。大きな胸の形を壊さないようにしっかりホールドして、さらに揺れないようにしてくれた。
それからは俺も集中する事が出来るようになったが、アレはアレで良かったと、スケベ心が全開した。
「お兄ちゃん!お風呂上がったよ!
今、いい湯加減だから、早く入って!」
「ああ、そっか!わかった。ありがとう!」
妹と入れ替わりに浴室にむかった。
洗濯機に下着とTシャツを放り込んだ。妹の下着はネットに収まり入れられている。
それに、手を出した。当たり前だが、こんな事一度もした事なかった。もう、妹はここを出て行くんだ。
もう、二度と拝む事はできない。そんな下衆な性根がこんな馬鹿げた行動をとらせたのだ。
ネットのファスナーをゆっくり開けた。黒のレースが、あしらわれた。妹には少しセクシーなブラとパンティーが現れた。
まずブラを手に取ってまじまじと眺めた。まだ、妹の温もりが残っているような気がして、思わず頬擦りした。甘い香りがした。
しかし、それは、オスを蘇らせるフェロモンを含んだ媚薬のような匂いだ。
すぐに下半身が、素直に反応した。そしてパンティに手を掛けようとした時だ。
「お兄ちゃん!リンゴ食べるでしょ!
皮、剥いとくね!」
ドア一枚挟んだ向こうで声がした。心臓が破裂しそうなほどビックリした。
「あっ、ああ、食べるよ…」
やっと返事をしたが、まだ、心臓の鼓動が止まない。まるで犯罪者の行動だ。いや、これはすでに犯罪なのだ。兄妹であっても絶対にやってはいけない行為なのだ。
洗濯機のスイッチを入れて浴室に入った。掛かり湯をすると湯船にザブッと浸かった。
洗濯機の低い音がしている。今見たばかりの妹のパンティを思いだした。
俺の下着が妹の下着の入ったネットを開けて必死で侵入しようとする様を想像した。
"ザバッ!"慌てて顔にお湯を掛けた。
変態だ!俺は変質者だ。犯罪者だ。妹の下着をオカズにするなんて…
下半身は完全勃起して、お湯から頭を出していた。もう、治りがつかなかった。このままでは妹を襲いかねない。そんな言い訳を思いつき、それを握ると高速ピストンをした。
これは、今まで妹が入っていたお湯だ。裸の妹を包んでいた液体だ。妹の汗が皮膚の破片が溶け込んだ芳醇な媚薬を含んだ体液だ。妄想が果てしなく膨らんだ。
あっけなく、すぐにイッてしまった。と、同時に賢者タイムが訪れた。自己嫌悪が襲いかかった。
慌てて湯船の栓を抜いた。そうだ!水に流してしまうんだ。精も歪んだ性根も…
洗面所で鏡は見れなかった。きっと、間抜けな自分が立っている。そう、思ったからだ。
風呂から上がっても妹と目を合わせる事ができなかった。
リンゴの入った器を手にベッドに向かった。
禁断の果実か…
皮まで剥けて…
かじってしまいそうだった
妹のパンティと言う
俺にとっての禁断の果実を…
続く




