貴族社会における、恋愛観や家族間の愛情
お読み頂き有難うございます。
多くの作品に登場する貴族達は、ナーロッパ貴族だからかもしれませんが、現代日本人の感性で色々考えすぎている気がします。特に、恋愛観や家族間の愛情について、疑問を感じています。
正直、本当の貴族がどんな価値観だったかは、知る由もないのですが、少なくとも、国や領の利益が優先されることも多いと言われている世界が殆どですので、本来ならばドライにならざるを得ない気がするのですが……実際の作品を見ると、何でこんなに感情を優先するのでしょうか?
……そうでないと話が面白くならないからそうなっているのは判るのですが、それならきちんと設定した上で話を書いて頂きたいというのが個人的な考えです。特に、真実の愛を見つけたからといって、家同士の契約である婚約を一方的に破棄するとか、どういう風に考えてそうなったのか、貴族ってそれでいいの?とか他人事ながら心配になるくらいです。まあ、この辺りは謀略などで唆されてしまった結果、やってしまったとか、話を作ってしまえば、それなりに納得出来るとは思うのですが……。
また、家族間、親子や兄弟姉妹間の愛情については、正直なところ様々だとは思うのですが、一方の家では疎遠、別の家では親密、という場合は、どちらがその世界の常識的に、あるべき姿なのでしょうか。この辺りをきちんと設定している作品は、個人的には、寡聞にして存じません、としか答えようがないのですが、皆さんはどうでしょうか。私自身は、そういった作品を読むたび、混乱しています。
まあ、人の心は縛れませんが、神の教えとして、家族愛が重視されているなどの設定があるならば、自身の感情より国や領を優先しなければならない貴族であっても、家族愛があった方が良いと判断できるわけです。
それに、例えば、領主が娘を溺愛している、という文章があった時、貴族的にドライな方が望ましいなら「そんなことしている暇があったら仕事しろ」とか「胡散臭い」と、周囲に思われかねませんが、家族愛が望まれているなら「まあ、美しい御令嬢だし、仕方ない」と思われるわけです。
つまり、登場人物達の行動原理を整理するためにも、そういう設定は使えるのではないかと、思うのです。
お目汚しでしたが、楽しんで頂けたのであれば幸いです。