異世界人は魔王の前では無力
不定期更新
次に話し出したのはクラス委員の矢島祥子だった。
「なぜ、そのような無責任なことができたのですか?」
それに対して国王は、
「無責任なことは承知している。しかし、この国の民の命がかかっておるんじゃ」
それを聞いたもう一人のクラス委員の佐川明雄は、
「こちらも命がかかっている!それに私たちは戦いに身を投じたことなど一度もないのだぞ!?」
と半ば叫ぶように言った。
そう、明雄は熱血漢なのである。
「しかし、お主らは召喚と同時に勇者としての能力を会得しておるはずじゃ。その能力をもってすれば魔王討伐など容易く行えるであろう」
さっきから俺の視界にあるゲーム画面がその能力だろう。
「それに、我が国はお主らを全力でサポートし、騎士たちは身を挺してお主らを守るから死ぬことはないと断言しておこう」
そこでようやく俺が口を開いた。
「じゃあ騎士たちが魔王を倒せばよかったんじゃ?」
その言葉に国王は答えず、代わりに騎士団長らしきゴリマッチョが答えた。
「そうしたいのは山々だが魔王は勇者の攻撃でしか倒せないんだ。俺たち騎士団は周辺国では敵うものなしと言われる程には強いが、攻撃が無効化されるとどうしようもねぇ」
魔王討伐には勇者が必要不可欠なことがわかった。
読む人増えたら定期更新になるかも