国王に質問
書籍化してほしいなぁ
国王とおぼしき人物の発言を聞いて最初に動いたのは、自他ともに認める陰キャである安倍陽介だ。陽介は挙手をして発言の許可を求めた。
ちなみに陽介と俺は友人関係にあり、陽介の趣味が異世界ものの小説を読むことだと知っていたから驚きは少なかったが他のクラスメイトたちはざわついていた。
「発言を許可する」
という国王の言葉を皮切りに陽介は質問を開始した。
「この世界に魔法は存在しますか?」
「なぜそんな質問をする?ないわけがなかろう」
「ではスキルなどもありますね?」
「あぁ、ある」
それだけ聞いた陽介は満足したのか「よしっ」と言ってガッツポーズをとっていた。
それから担任の教師が挙手をすると、
「お主らは勇者としてこの世界に召喚したのだ。いちいち発言の許可をとる必要はない」
と国王が言った。
「では、元の世界に帰ることは可能ですか?」
「今は無理だが、魔王を討伐することができれば可能となるであろう」
「断言はできないのですね?」
という担任の発言に怒った宰相が、
「国王に向かって無礼であるぞ!」
と言うと国王が宰相を手で遮り、
「彼らは勇者だ、国賓待遇として扱え。この王城内では犯罪行為以外の全てを許可し、何かを頼まれたら全力でサポートしろ」
「「「はっ」」」
国王の命令に宰相や周りの騎士や貴族などが一斉に了承の意を示した。
「そして先程の質問の答えだが、すまんが断言はできない。なにしろこの国での勇者召喚は初めてのこと、他国の文献などを見ればわかることもあるかも知れんが、勇者の情報はその国の極秘情報じゃからなぁ」
そして印税が欲しいなぁ