十連したら全部最高レア
(サブタイトル)←←……そりゃ奇跡やな。
ぶっちゃけこんだけ時間かけておいて申し訳ないですけど、この話は見なくても大丈夫です。話が一つも進まないので。
……少しは進めるつもりだったんだけどなぁ。
前回のソーラン節!!!!
蛍吹「ふむ……我は鬼神故、恐等抱かぬし、懐かぬよ」(( ゜∀゜)o彡°えー〇ん!〇ーりん!)
シェス(……!こいつァ…いい拾いもんしたかもなァ)
蛍吹「〇の呼吸、一の型、霹〇一閃!」
スッ!
ファサ……(髪が落ちる)
シェス「……ククク!( ゜∀゜)ハァーハッハッハッハ!!」
蛍吹 (ゾクッ……ブルブル)
ソイヤッ!ソイヤッ!ソイヤッ!
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シェスは喜悦していた。
この戦い。いや、模擬戦。
シェスはそもそも期待などはしていなかった。
当然だ。
なぜかは聞くまでもない。
蛍吹は平和で、残忍な争い無き世界にて腑抜け生きた存在。
闘争に戦争、争い絶えぬ残酷な世界に生まれ落ち、【生きることは闘うことだ】と背中に刻むような軍人とは違う。
現代日本にてどこにでもいるような、無害な羊であった。
そう……戦いは愚か、凶器に悪意を込めた事すらない、直人。
どうして闘争を知らぬものに期待することできようか。
どうして闘争を知らぬものに剣を、武器を扱うこと叶おうか。
本来なら、この模擬戦には意味など余り無かったのだ。
闘争における本質、【命懸け】の恐怖を覚えさせる。それだけだ。
本当の戦場に恐れを抱えていかないよう、争いの本質は『命の奪い合い』だと、今の段階で言外に告げたのだ。
この世界では命など、奪えば生えてくる程度の価値でしかない。新人が持つ死への忌避感は充分なハンデになる故に。
恐怖とはそう簡単に克服できはしない。
ならば早いうちに恐れを抱かせ、その時間を確保する。
それだけ。
本当にそれだけのつもりだったのに。
おまえがわるいんだぞ?蛍吹。
おかげですっかり…………
ーーーーアガっちまったよ…!
「クククッ……」
その眼は極限まで見開かれ。
昂る戦意に髪は浮き上がり。
荒ぶる身体はマグマのような熱気を放つ。
頬まで裂けるように吊り上げられた口からは、喉を鳴らすような不気味な音が漏れる。
戦の狂気がシェスを包み込む。
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腰を落とし、胴体すら伏せるように低く、低く。
あまりに低く体を落とす。
そう。落ちる。その動作はあまりに普通だった。
立ち尽くす人が、突然気絶し地面に叩きつけられるように。
足に力が入らなくなったようにガクッと、力尽きるように。
あまりに自然な動きだった。
これを傍から見れば、間違いなく病にやられ、倒れ伏す人にしか見えないだろう。
シェスも例外ではない。
目の前で糸が切れた用に倒れ始めた蛍吹を見「恐怖のストレスに頭が限界を迎えたか」と、まあよく持ったほうかなと賞賛混じりに、
敵 意 を と い た。
今ここに、成っていた枷が一つ。
といた。といてしまった。
その時、シェスの耳に小さな音が聴こえた。
その音はあまりに小さく、大きく。この異様なほどの静けさを持つ空間にて、あまりにも大きな異音。
あまりに大きな、 目 覚 ま し 時 計 (アラーム)
今ここに、蛍吹の意識は泡沫の微睡みを脱する。
ーーーー跳躍する。
倒れ伏す直前の体に弾ける様に、液体のように溶ける脱力状態の体に。
全細胞からエネルギーを搾り取り。
全てを脚の筋に込めたーーーー
ーーーー跳躍する。
脚はもはや地には着いてはおらず。
体は地面から離れるように斜めに進む。
その勢いたるや、大砲すら生ぬるい。
文字通り、蛍吹は跳ねた。
ーーーー跳躍する。
蛍吹はまだ意識を戻すには至っておらず。
だが、その腕を上へとあげねばならぬと体は覚えており、剣を振りかぶる。
だが何時振れば良いのかなど、体は判断出来ず。
焦りはない。恐怖すらない。
困惑もない。意識すらない。
ただ、このまま行けば着地すら出来ず怪我をする。そう直感を得た脳は、直感に従い
勢いよく振りかぶった剣を、振り下ろした。
目的は受け身をとる事。あげた腕を振り落ろし、前屈みの姿勢をとって足を畳めば。
あら不思議。人間団子の完成だ。
端的に言えば、体が宙に浮くこの状況を恐怖し、踞ろうとしただけだ。もはや体は臆病な持ち主の影響を受けてしまった。逃れられなかったらしい。
"サッ……!"
小さな手応え。まるで何か切ったのではと思うような。
だが蛍吹はそれどころではない。蛍吹は気付いた。気付いてしまったのだ。
自らの頭頂が地面を指していることに。
どうやら剣を勢いよく振りすぎたようだ。体が縦に微回転し、頭頂が地面の方へ降りていっている。このまま行けば余裕で蛍吹は地面に刺さるだろう。そうでなければ首の骨でも折れそうだ。
"これはまずいお"
微妙に意識が覚めてきた蛍吹は、そんなスラング語尾を付け焦燥する。案外余裕があるかもしれない。
意識を覚醒させた蛍吹は瞬時に、「自分が前に(吹っ)飛んでいる事」「今何もしなければ頭が刺さって馬鹿になる」という現実を逃避交じりに把握した。
"よく分かんないけど回れ回れ回れ回れまっわっれ!!花弁撒き散らすように!"
失礼。把握してなどいなかったようだ。この男、理解っていない。
とりあえず、何もわからないが回れば大丈夫という、チョトナニイッテルカワカンナイ結論に達したようだ。それで大丈夫なのはアニメの世界だけだ。
しかし。
"フワッ"
どうやら本当にそれで大丈夫だったようだ。
回転しだした体に合わせ足を開いて伸ばせば、なぜかある地面に一足、見事に着地。そのままでは回転の勢いで前に倒れてしまうので、二足目で綺麗に力を軽減。
ぶっちゃけ物理に反している。なぜこの着地で軽やかに着けれるのだろうか?一種のオカルトかもしれない。
さて、今起こったことを傍目から見てみよう。
落下の力を前に跳躍する事で、勢いを利用して超ジャンプする。
まるで大砲のように飛び出し、超スピードで宙を掻っ切る。
そのスピードは明らかに人間に反応出来る速さでは無かったのに、まるで体が覚えていたような鮮やかさで剣を振りかぶる事で超スピードに対応する。
そのまま一閃、剣の切っ先は見事シェス(の髪)を切り裂いた。流れるような動作で体を丸め回転し、見極めたように完璧なタイミングで足を伸ばして、地面に着地。
神業。まさしくその一言に尽きる。
当たり前だが、素人にできる動きでは到底ない。当たり前だが。
こんな真似が実際に出来るのは、神話や御伽噺に出てくる英雄くらいなものだろう。
蛍吹のは完全な偶然に過ぎないが。
目撃者がいれば、きっと賞賛と歓声。驚愕と感嘆の嵐だろう。
そして、これを目撃どころか体験したシェスが思う所はただ一つ。
"アガっちまった"
アガっちまったらしい。
紛うことなきバーサーカーだ。誰かとめろ。
そしてその情動を向ける先は一人。蛍吹だ。
逃げろ蛍吹。危険はすぐそこまで来ているぞ。
見てくれてありがとうございます!
蛍吹はあそこでなぜ回ろうと思ったのか?
そらあれよ、前回のサブタイトルよ。確か作中で落下した地面をいなしてる描写ありましたし。
……あったよね?←← (うろ覚え)




